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終着駅52-1 膣壁の触診でもするように


 第52章-1

 圭の指先が軽く触れ、脚を開くことを促した。私は、従順にその指示に従った。床に置かれたアップライトなスタンドが、圭の右半身を照らしていたが、あまり圭の表情のすべてを目にするつもりのない私は目を閉じた。

 なんの前触れもなく、いきり立った圭の怒張が挿し込まれた。

 満杯になっていた愛液が、鈍い音を伴って膣口から会陰に向かって流れ出た。

 どこで覚えたのか知らないが、圭は何度か怒張の先の段差を利用して、私の膣内で過剰になっていた愛液を排出するように、抜き差しを繰り返した。

 おそらく、その排出された粘液を、タオルかなにかで、軽く拭き取っているようだった。

 もう私は、恥じらいを捨てていた。私はアクトレスなのだから、観客が身を引くほど貪欲な淫婦の役に徹すればいい。舞台に上ることを、演出家の有紀に命じられたのだから、その要望に応える演技に徹すればいいのだ。

 ようやく、膣内の圭の亀頭の動きをはっきりと感じるようになってきた。

 しかし、いつもに比べ硬直度が少ない感じがした。圭にしても、このような状況への対応が不十分なのだろう。人の子であれば、このようなシチュエーションに自然に同化する方が、逆に奇異だった。

 ペニスの抜き差しを中心とするセックスは、圭と私の間では、あまり通常的に行っていない行為なので、新鮮さはあった。

 次第に、陰茎にも力が漲り、いつもの張りを取り戻した圭の怒張が、膣壁の触診でもするように丁重に行き来していた。

 再び、私の膣壁から愛液が流れだし、結合部では淫猥な音を奏でていた。

 間近に横たわる有紀に、この音が聞こえないわけはなかった。演出家から“カット”や“ダメ出し”されない限り、私の演技は上手く行っているのだろう。

 膣奥に攻め込んでこない圭の行為に、多少の不満を持っていたが、抜き差しのピッチが上がるに従い、膣壁が急速に収縮し、抜き挿す亀頭部を逆に攻めた。

 攻められているように見えて、組み敷かれた方が上にいる者を攻めている柔道の技があったが、何という名前かは忘れた。

 圭が、怒張を抜いたまま、休息を取り出した。

 以前、竹村も、このような仕草を見せたことがある。彼の説明によると、ペニスに皮膚呼吸をさせることで、快感が倍増すると聞かされたが、圭のは、意味あいが違うような気がした。

 “どうしたの、きつ過ぎる?”そんな言葉を口にしてしまいたい衝動があったが、私は、黙って次の動きに期待した。
 つづく

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終着駅51 肉と肉が当たる音、愛液が混じりあう音


 第51章

 スローモーションの中で、圭の隆々とした怒張が、有紀の身体の中を行き来しているシルエットを凝視する私の目は、座っていたに違いなかった。

 私は、そのような目つきをほぐすように、瞬きを試みたが、ゴムバネで瞼が結ばれているのだろうか、再び凝視する目つきに戻った。

 有紀の両腕は圭の背中にまわされ、来るべき時を待っているように見えた。私の知っている有紀の性格からは考えられないほど、受け身な女がいた。

 聞こえてくる音はベッドの軋み、そして、一心不乱に腰を動かす圭の荒々しい吐息だけだった。時折、有紀の呼吸の中に、無声音な快感的な吐息が僅かに聞こえてくるだけだった。

 圭の動きが速くなった。そして、肉と肉が当たる音、愛液が混じりあう音が部屋を満たした。

 私の指が思わず滑りの中に埋没した。ふたりの動きは益々激しさを増し、肉弾戦さながらの様相をみせていた。

 「うっ、うっ」と圭の声が洩れ。

 「は~、ハッハッ、はっ」と有紀の切迫した声が混じりあい佳境を迎えているのを感じた。

 私の指も、滑りきった膣内を乱暴な動きで暴れまわっていた。彼らが、静かであったら、私の淫靡な音は耳に届いているだろうが、いま、その怖れはなかった。

 有紀の背が弓なりになり、最期を迎えたようである。私よりも大ぶりな乳房が露わになり、恥骨の部分が圭の怒張を抑え込むようにせり上がった。そして、30秒程度、どさりと身体は弛緩した。

 私は、そそくさとローブの前を整え、何知らぬ顔で、ラブチェアーの背に寄り掛かった。それでも、息が上がっているのは歴然としていた。

 有紀の小さな声が聞こえた。

 はじめは、何を言っているのか判らなかったが、有紀が再び、私の名を呼んだ。

 …涼ねえさん…

 私は、有紀の声に気づいていたが、名前を呼ぶと云うことと、有紀が何を望んでいるのか分からずに、戸惑っていた。

 何度か、同じ呼び声を発していた有紀が、私に向かって手招きをしている。

 どうしろというの?私に介抱して貰いたいわけではなさそう。参加しろとの意思表示なのだろうか?

 だからといって、“ハイ、待ってました”と近づくわけにもいかなかった。

 「どうしたの?満足できた?」私は、意外に冷静な声で、有紀に尋ねることが出来た。

 「少しだけ。でも、こんな関係は、姉さんが加わってもらわないと完結しない。姉さんが加わることで、美しく幽玄で妖しくなるわ」

 「なによ、舞台でもないのに」

 「違うは、これは演劇よ。ここは舞台だわ。だから、姉さんが圭と結ばれないと、幕が開かないし、下りないの」

 有紀は、私と同じことを考えていたのだろう。圭がどのような考えでいるかは、現状では不必要な雰囲気が流れていた
。圭は、そそり立つペニスをシルエットの中に見せていたが、意思表示する気はないようだった。

 「困った人ね。でも、その方がリアリティがなくて良いかもね」

 「そうなの、姉さんわかって」有紀の哀願する声と指先に誘われ、私はバスローブをはぎ取って、ベッドに近づいた。

 有紀が私にスペースを譲り、弛緩した身体を移動した。そして、私に変わって、バスローブを裸身に掛けると、目を閉じたようだ。

 私は、その譲られたベッドのスペースに身を横たえた。圭がなにか言ってくるかと思ったが、賢明な男は、いまの自分の存在理由が、どういうものか肌で感じているようだった。
 つづく

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終着駅50 妖精のような手触りで触れて


 第50章

 有紀がベッドに横たわっていた。普段の彼女からは想像のつかない硬い表情は、見ている私までドキドキさせられる緊張が伝わった。さり気ない顔を装っているけど、圭もかなり緊張しているようだ。

 私も全裸になっていたが、バスローブをつけているので、ベッドで繰り広げられる饗宴に、参加するかどうかは、成り行き次第だと、二人には宣言していた。ただ、全裸を見せることだけは約束していた。

 圭は上半身は裸だったが、トランクスは穿いていた。まだ、勃起の兆候は、私の見る限り起きていないようだった。

 程よく利いたエアコンの音、フル回転している空気清浄機の音が部屋中を埋め尽くしていた。

 照明は、誰が調整したのか気づかなかったが、明るくも暗くもなく、幾分赤みを帯びた優しい光で部屋中を包み込んでいた。

 ベッドの端に佇んでいた圭が、ベッドに上がった。その動きに、瞬間視線を送った有紀が、目を閉じた。

 有紀がはじまりのベルを聞いただろうが、私も、はじまりのベルを聞いていた。

 “……有紀、一緒の気持ちだよ……”私は無言で、有紀に語りかけた。なぜか、美しい姉妹が、暴君な弟に、交互に犯される倒錯を感じた。しかし、その思いが、思いがけぬ効用をもたらし、私の欲情にも火をつけた。

 急に、有紀と圭の行為の様を、早くみたい欲望がふつふつと湧いてきた。

 そして、一人の男のペニスによって、交互に貫かれる情景が浮かび、膣奥が僅かに目覚めだしていた。

 圭が、有紀の指先に触れ、僅かずつだが確実に、有紀の身体を我が物にする歩みをはじめていた。

 私には、あんな礼儀正しい行為に出なかったのに、と思った。

 怒るわけにはいかなかったが、なにか釈然としない中で、圭が確実に、有紀を抱くのだという方向に進んでゆく姿に、幽玄で、その癖。淫猥な姿を見ていた。

 まるで、有紀の舞台における演技のようなシチュエーションがそこにあった。

 “そうか!圭は舞台上の有紀と圭を演じている”考え抜いた末に、圭がたどり着いた心づもりは、これだったのか。

 私は、圭に感動した。そして、その意図を瞬時に受けとめ、圭の相手役をするヒロインに同化してゆく有紀の動き、それも感動だった。

 私も、その舞台に立ちたい。私は、情欲とは別の衝動の中で身悶えた。

 子供のころ、ままごとの仲間に入りたくて、横に佇み、声を掛けてもらうのをじっと待つ子供のような心境になっていた。

 圭は言葉を発していなかった。有紀も言葉を発していなかった。互いの目と目が話していた。

 少なくとも、唯一の観衆である私には、そのように見えた。そして、舞台上で共演したい衝動と、恥じらいのある肉欲が芽生えていた。

 ふたりの唇が重なった。二つの唇は蠢きあい、息すらしていないように見えた。時折、有紀が吐息をはき、圭がその吐息を空中で受けとめ吸い込んでいるように見えた。

 美しかった。セックスに向かっているふたつの裸身ではなかった。観たことはないのだが、モダンバレーの舞台を観ている気持ちもあった。そして、私もモダンバレーが踊れるだろうかと、ふと不安にもなった。

 ふたりの唇の重なり合いは長かった。互いの唾液が交わされ、融け合っているようにさえ見えた。

 私の腕は、自分の思いとは無関係に動き、バスローブの前に引き込まれていった。

 完璧に濡れている、自分のバギナをやさしく、性的にではなく、妖精のような手触りで触れていた。

 唇を重ねたまま、有紀の身体が開かれた。圭のペニスが、シルエットになって、私の目線をくぎづけにした。

 完璧なシルエットをみせつけていた圭の怒張がゆっくりと、唯一の観客の目を愉しませるため、否、苛立たせるために、スローモーションのように沈んでいった。

 “は~ぁ”私の耳には、有紀の口から感嘆の吐息が洩れたのを聞いた。

 私の座っているラブチェアーから、ベッドという舞台装置は、逆光になっていた。その光が、二人の動きに非現実的に映しだしていた。

 圭と有希の行為は、舞台に立つ役者としての役得として、免罪符を与えられているようだった。なにをしても、それは舞台における行為であり、それ以上でも以下でもない。

 しかし、私はリアルな観客席にいたので、免罪符は持ちあわせていなかった。私の指は、まさにリアルな粘液で滑っていた。

 淫猥な行為に耽っているのは私だけで、ベッドの二人は非現実にいる。

 ひとり取り残されている気持ちは募った。いまにも飛び入りで舞台に駆けつけ、“私にも免罪符をください”と言いたい衝動があったが、必死で堪えた。

 堪える理由も見つからなかったが、ただ股間を濡らした女が、突然舞台に飛び入り参加した瞬間、ブーイングの嵐が待ち受けている感じが、私の情動を押しとどめた。
 つづく

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終着駅49 ペニスは一本だし、形状は良好


 第49章

 有紀と約束の土曜日が来た。圭が選んだホテルは、国立にあった。車では行きにくいホテルをなぜ?と思ったが、圭なりの考えがあるのだろうから、彼に任せることにした。

 私と有紀は、かなりナーバスになって、圭と待ち合わせた北口のロータリーに向かった。

 「姉さん、本当に大丈夫なの?」

 「なにが?」

 「なにもかもよ」

 「なにもかも、そう、たぶん大丈夫だと思う」

 「だと思うわけ?」

 「断定はできないけど、圭が貴女も私も、裏切らない筈よ。信じるしかないでしょう、此処まで来ちゃったんだから」

 「でも、姉さん、本当は怒っているんじゃないの?」

 「そうね、幾分はね。でも。色々と冷静に考えていくうちに、有紀が仲間になるのも悪くないなって思うようになったのよ」

 「どういうこと?」

 「色々だから、説明なんて出来ないよ。今日は、ひたすらピクニックのつもりで、兄弟姉妹が集えば良いだけよ。ピクニックで、おにぎりをほお張る無邪気な兄弟姉妹、そう考えなよ」

 「でも、私は圭と初めてだし……」

 「ほかの男と、死ぬほど違うわけじゃないよ。ペニスは一本だし、形状は良好、景色も抜群、パートナーへの気遣いも充分。ただ、一時のアバンチュールをピクニック気分で愉しめばいいだけよ。なによ、今になって」

 私は、有紀が不安な顔をする度に、勇気を与えられ、不安など、どこかに消え去っている自分を感じた。

 圭の車が、静かに二人の待つロータリーに滑り込み、横づけされた。

 圭は無言だったが、軽く手を上げ、二人を後部座席にエスコートした。そこには、名前がよくわからない花がぎっしり詰まったブーケ風の花束がふたつ置かれていた。

 「喧嘩せずに、お好きな方を選んでください。ささやかな、姉さんたちへの、僕からのご挨拶プレゼント」

 圭は、既に車を国立に向けて走らせながら、軽やかに声をかけて来た。
 つづく

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終着駅48 有紀との約束の日が刻々近づいて


 第48章

 有紀との約束の日が刻々近づいていた。

 差出人不明の手紙は、その後、送られてくることはなかった。当初は、いつ次の手紙が届き、何を言い出すのか気がかりで仕方なかったが、根拠はなかったが、二度と、あのような手紙が来ることはないと思うようになっていた。

 有紀との話を出して以来、なぜか、私と圭の関係に微妙な変化が現れた。

 それまでは、絶対的に私が、二人の関係で上位に位置していたのに、その距離が縮まったように感じていた。特別、圭が威張り出したとか、そういう事ではなく、私の心の中で起きた変化なのだろう。

 差出人不明の手紙で一時被疑者に上がっていた映子と、部の慰労会の後、二人で二次会に行った。

 私は、その当時不倫相手の副社長だった竹村によく連れていって貰ったバーに映子を誘った。

 会員制“Bar MURAKI”は銀座電通通りの、ひっそりとしたビルの地下にあった。看板にはうっすらと明かりが灯っているだけで、一見の酔客が訪れることを、暗黙に拒絶していた。

 当時の竹村の名前が通用するかどうか判らなかったが、“竹村さんと何度か”と私は映子に聞こえることを承知で入店の承諾を得ようとした。

 竹村と同年配のバーテンダーが、運よく私を記憶して、カウンターから手招いてくれた。そして、気を利かせたのかどうかわからないが、いつも座っていたカウンター席にグラスを置いた。

 私は当時よく座っていた席に着き、映子は竹村が座っていた席に着いた。

 当時と何ひとつ変わっていなかった。私自身は、ぐるぐると変わっていったのに、“Bar MURAKI”の空間は変わらずに私を迎え入れてくれた。変わっているのは、竹村が座っている席に、映子が落ち着きなく座っていた。

 「ごめんね。落ち着かないか、この店?」私は小さく映子の耳元で囁いた。

 「大丈夫、もう少ししたら落ち着くから」映子が笑みを返してよこした。

 「自分の思い出の場所に、映子さん連れ出すなんて、私も変よね」

 「そうでもないわ。私だって、一つくらいは、そういう店あるし、誰かに知っていて欲しいって気持ちってあると思うの…」

 「映子さんにもあるんだ。今度は、映子さんのそのお店、私でよかったら連れていって」私は、会話を合わせるとか考えずに、本当にそう思った。

 「そうね、行ってみようかな。一人で行く勇気がないから行けなかったのかもね。主任となら行けるかも?」

 「主任はやめてよ。アフターファイブは年下なんだから“涼ちゃん”って呼んでよ。昔、社長秘書だったころのようにパワフルに…」

 「そんな時代もあったのよね。最近は、生活に疲れて、そういう感覚が消えてしまって」

 「そうかしら、私は、そうは思っていないよ。映子さんは、口にこそ出さないけど、我々の部の問題点を完全に知っているわ。そして、私なら、こうするのにみたいな意見まで言える筈よ。でも、言わないだけの話よね」私は、多少断定的に言った。

 「買い被りだって。もう頭が冴えていないもの。あの当時は、琴線が張りつめたパニックな状態にいたから……」

 「パニックになるほど社長室はハードだったの?」

 「あの当時、わが社の風紀は、乱れに乱れていたのよ。そこいら中に、“穴友”、“ペニ友”が溢れていたの」

 「本当に?」

 「そう、いま考えたら、よく会社が潰れないと思うくらいね。でも、事業は時流に乗った所為もあるのだろうけど、破竹の進撃よね」

 「たしかに、こんなに活気があって、前に進むような企業が、日本にもあるんだと思ったわ」

 「まあ会社の母体を創ったのは社長だったけど、文具卸業からIT企業に変身させたのは、竹村副社長だったからね。当時の秘書室の女達は、みんな、竹村さんを狙っていたのよ。」

 私は、言葉に窮して、映子の話が続くのを待った。

 「そして、その竹村さんの愛人になっちゃったのが、涼ちゃん、貴女よ」

 「そうだったの、私、当時なにも知らなかった。そんな女の戦場みたいなものがあるの」

 「そうよね。入社3年か4年でしょう。それに、貴女は総合職で入社した数少ない女子社員だもの、巷の女子社員とは別格の仕事に携わっていたから、乱れた部分は見えなくて当然だったのよ」

 「そうか~……」私は、映子から聞かされた話を別世界の話のように聞いていた。

 「私酔ったから、バラしちゃうけど、私の狙いは竹村副社長だったのよ。何度か、他の子も一緒だったけど、飲みに連れていって貰ったのね。社長や室長は、好ましくない行動だと思っていたらしいけど、あからさまに問題にはならなかったのよ。でも、結局、秘書室の女子に竹村さんは手出ししなかった。……」

 「どうしてかしら?映子さん含めて、魅力的な人達揃っていたと思うけど」

 「多分だけど、社長に弱味を握られるのが厭だったのかもね。正直、一匹狼的だから、竹村さんは魅力的だった。孤高の切れる人、そのイメージは大切にしていたのだと思うわね。でも、なぜか、貴女を選んだ。その理由で、私たちは盛り上がったけど、下世話な噂話の領域から抜け出ない、たわいもない話だけだったわ……」

 「そうなんですか。全然知りませんでした」

 「貴女が知るわけはないのよ。当時の涼ちゃん、仕事に夢中だったもの。女達の目から、貴女がどう見えたかは別にして、竹村さんは、違うオーラを出して生きている貴女に、多分魅了されたのだと思うの」

 「そこまで、私、夢中で仕事してましたか?」

 「私たちの世界からしてみれば、猛烈女子社員に映ったわ」

 「自分では気づかないものなのね」

 「そうですよ、夢中なんだから、周りの視線なんて関係ない。それでね、尻軽な女たちは、次の餌食捜しに夢中になっていたわ」

 「映子さんは?」

 「私……」映子は酔い覚ましの炭酸を飲みながら、ひと間置いた。

 「私はちょっと、彼女たちと方向が違ったの。既にバツイチのお局だったしね。貴方が、副社長なら、私は社長だって思ったのよ……」

 「えっ!」私は次の言葉が出てこなかった。初老のバーテンダーは、話の内容を聞いているのかいないのか、空のクリスタルグラスを磨き込んでいた。

 「そう、既に社長は当時でも78歳の後期高齢者よ。でも、私は当たって砕ける根性があった。正直、金銭的にもきつかったのよ。それに年齢も年齢だから、女の武器がいつまでも神通力があるとは思えなかったしね……」

 映子との話は、そこで終わったわけではなかった。社内の、どろどろの男女関係や人間関係を聞かされる羽目になった。しかし、竹村が私を愛人に選択したことに、強い拘りを持っている様子はなかった。そして、二度ほど、私を尾行した事実を白状した。

 それは、映子の趣味のようなもので、私だけではなく、何となく、興味のある人物の見えていない部分を見たくなる性癖だと、笑いながら暴露した。

 そのこと自体は、気持ちの良いものではなかったが、差出人不明の手紙の主としては、あまりにも多くの、自分の秘密を語り過ぎていた。犯人とおぼしき被疑者の一人がまた消えた。
 つづく

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終着駅47 オーガズムは脳天を突き抜け


 第47章

 微かに圭が動く気配をみせた。圭の一部分が、開かれたわずかな空間に当てられた。

 当たってきたものがなにであるか、直ぐにわかった。来るべきものが来たのだが、その物体は独立した存在であるかのような動きをみせていた。おそらく、圭は指先とつま先で、身体を宙に浮かせているのだと思った。

 なぜ、そんな行動に出ているのか、私は考えを巡らそうとしたけれど、咄嗟に中断し、今は考える時ではなく、感じる時だと思った。

 しかし、想像する圭の態勢が、いつまでも維持できるとは思えなかった。自発的に膝をМ字に曲げてやるのが一番なのだが、それをして良いのかどうかもわからなかった。

 空中に漂うものに力強さがあるのは奇妙だったが、その浮遊する棒はパワーに満ち、わずかに作られた腿の隙間で私のクリトリスと大陰唇と小陰唇、そして膣前庭を行き来し、愛液の促進を促していた。

 しかし、私の膣口は既に、そんな行為を施されるまでもなく、愛液で溢れかえっていたのだから、私の淫婦ぶりが明らかになるだけで、羞恥に満たされた。

 幾分、膣口が上向きの私のバギナに、その空中にありながら強固な棒の先がぬるりと入りかけた。

 入りかけては、するりと膣口から抜け出す行為が何度となく繰り返された。

 蛇の生殺しってのがどう云うものか分からなかったが、きっとこう云う感じなのだと思う。Ⅿ字に足を開きたい衝動が限界点に達した。

 「駄目だよ」圭が強い口調で、私の膝を伸ばし、半死半生の私のバギナを責め続けた。

 「いま姉さんは有紀ねえさんなんだから…」圭は、強く宣言すると、蛇の生殺しセックスに没頭した。

 有無を言わせぬ圭の強い態度に、私は畏敬のようなものまで感じて、その中途半端な愛撫を受入れざるを得なかった。

 圭に、“有紀だと思って抱いてみな”と命じたのは私だった。

 いま行われている行為は、圭が有紀を抱くときに、どのような心持で有紀を抱くかを圭は示したかったのだ。そう思うと、圭の行為を、私は悦ぶべきだった。

 有紀とは、中途半端なセックスしかしないから、と圭がいま、私に伝えているのだと思うと、膣口の入り口だけを出入りする亀頭のセックスで、私は満足の叫びを上げなければいけないような気になってきた。

 肉体の歓びではなく、心の歓びのような世界で。

 「有紀ねえさんとは此処までだ」圭の身体が、かなりのボリュームで私の上半身に重なり、帰還を伝えた。

 私は、圭にかける言葉を見つけることが出来ず、ひたすら、その背中に回した腕に力を入れた。腕の隅々に、圭の心が伝わり、私は嬉しいという願いを込めて抱きしめた。

 「やっぱり、涼ねえさんじゃなきゃダメだよ」圭の意味するところが充分に理解は出来ていなかったが、もう理解などは不要だった。ひたすら、抱かれていたいと思った。

 圭のいつもの怒張が、私を貫いた。私は、瞬時にオーガズムが襲ってくるのを予感した。有紀のことは、もう頭の片隅にもなかった。あるのは貪欲な欲情の高まりだった。

 「圭。抑え込んで!」私は叫んだ。

 優しいはずの亀頭の肉に骨が生えたような錯覚があった。

 圭のペニスは、先端までが樫の棒状になって、私の子宮頚も巻き込んで突き刺さり、尚且つギリギリと奥を目指しているようだった。

 圭は堪えていた。私が、何度でも味わえるマルチプルなオーガズム状態になるまで堪えた。

 私は、無我の世界に這入りこみ、唸り声をあげて、夢中で息んだ。

 息むたびに、オーガズムは脳天を突き抜け、一瞬、失神しかけるが、記憶を失うことへの吝嗇の心が、瀬戸際で踏みとどまらせるという、貪欲さを見せていた。
 つづく

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終着駅46 膣口から愛液が滲み出て会陰に向かって


 第46章

 圭は、私のバギナを求めていたにもかかわらず、即物的な行動に出なかった。

 ガツガツと求められる優越的満足は満たされなかった。しかし、私を有紀だと思ってと言った都合上、圭の行動を咎める立場にはなかった。

 本来であれば、私が有紀に心まで変身すれば良いのだけど、圭に命じた割には、自分自身、それが出来なかった。しかし、圭はその命令に従うように、黙々と私、いや、有紀の身体を上から下までなぞり始めた。

 圭は、目を固く閉じ、口も開かず、指先に全神経を注いで、私、いや、有紀の身体をたしかめ出した。

 その指先には、オーラがあった。決してオスがメスを求めてまさぐる指先ではなかった。女体に、自分の霊気を注入する神官の儀式のようでもあった。

 はじめのうちは、圭が有紀に対して、こんなに繊細な指使いをするなて、という嫉妬のようなものを感じていたが、徐々にその気持ちは消え、受けている愛撫の心地よさに身を任せていた。

 圭が照明を落とし、薄闇の中で指先に有紀を感じている筈なのに、私の芯は次第に熱さを増していった。

 グツグツとわずかなマグマが膣壁から溶岩として流れ出しているのを自覚していた。

 思わず、口から心地のいい吐息が洩れそうだったが、疑似体験しているであろう圭の状況を破壊しそうで躊躇われた。

 声も洩らさず、身動きもせず、指先のわずかな刺激で快感を憶える辛苦はかなり苦痛だった。ある意味で拷問のようなのだが、身の毛も弥立つ(よだつ)強迫的快感もあった。

 いつもの流れなら、既に圭の怒張で私は満たされている筈だった。

 しかし、今日は未だにバギナの入口に、指さえ到達していなかった。圭がリンパマッサージを知るわけはないのだが、偶然その指は脹脛のリンパを的確になぞっていた。

 “ 私は涼よ、有紀じゃないわ! ”

 そう叫んでしまいたい衝動を憶えたとき、圭の掌が恥骨の上にあてがわれた。

 “ わかっているよ。ここは涼ねえさんのお気に入りの場所でしょう ”

 圭が無言で、私の抗議の声に応えてくれた。そして、恥骨と陰毛を揉みしごく愛撫は、いつもの私たちの定番ル一トだった。

 迷子の子供が、ようやく通いなれた道を見つけだした安堵を憶えたが、次の瞬間、再び私は圭によって放浪の旅に引きこまれた。

 “ 私は嬲られて(なぶられて)いるの? ”

 私は圭に問いかけたい気持ちだった。圭はその問いに応えることなく、次なる行動に出てきた。

 私は目を固く閉じていたので、圭が何をしているのか分からなかったが、その指先は私の身体から遠ざかり、二人の間にある空間を舞っているようだった。

 その動きをたしかめたい気持ちもあったが、どこかでは、見てはいけないものを見てしまう怖さがあった。

 なにか圭の浮遊する指が、まじない師の振舞いを模しているように思えた。

 たしか霊気と云う治療法が東洋医学の一つの分野にあったが、どこかそのような行為に思えた。気功と同じものかもしれないが、圭の掌が、私のバギナに向けて、何らかのメッセージを送り込んでいるように思えた。

 そのよう想像が当たっているかどうか、どうでもいいことで、私は、それを感じなければいけない気分に陥った。

 圭の掌が向けている部分、バギナ付近に神経を集中することで、何かが起きると自己暗示することが、いま必要なことだと思った。

 霊気とか気功と云う類は、きっと受け手の感受性、受動のレセプターが作動する結果生れると思っている私には、私の責任範囲のように思えた。たしかに、じんわりバギナの辺りが熱を帯び、陰毛が逆立っている感覚があった。

 人間の身体と云うものは、本当に不可思議なくらい精緻に作り上げられている。

 高度に進化した人間の大脳は、或る意味で無限大の広がりを感じる。おそらく、誰ひとり、持ち合わせた大脳の機能を完全制覇した人間はいないのだと思う。

 多くの人々は、その10%の能力さえ使っていないと云う学説があるくらいだから、人間は全員が宝の持ち腐れのまま死んでいくのだろう。

 私がいま、空間を通して圭の愛撫を感じようとしている思い、つまりは神経の集中も、その大脳によって機能している。

 そのような行為で、快感を感じるのは、出し手ではなく、受け取る側の責任なのだと思う。まさに私は、その快感を受けとめていた。そして、確実に肉体的現象も惹き起こしていた。

 その快感は浮遊しているので、しっかり抱きかかえることは出来なかった。

 でも、膣口から愛液が滲み出て、会陰に向かってツッと流れ落ちた。

 それが、圭に見えるわけはなかったが、そのタイミングで、圭の指先が、僅かに脚を開くことを促した。私は命じられる儘に、僅かな空間を左右の腿の間に空間をつくった。
 つづく

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終着駅45 有紀だと思って抱くんならさせたげる


 第45章


 「そうなのか……」圭は私の7割の真実に素直に反応していた。

 私は、もうひと押ししたい気分だったが、言葉を呑み込み、圭の自主的判断に任せた。これ以上プッシュすることは、弟と二人の姉による背徳的行為の首謀者になってしまう危険を感じていた。

 でも、と思った。

 私と有紀と圭の間で、その関係成立の首謀者は誰だったのだと問われた時、三人の意志決定に、常に私が存在したのだから、状況的には、私が紛れもなく首謀者になるのだけど、その地位を確固たるものにする努力をするのは躊躇われた。

 「有紀ねえさんと俺が関係を結ぶ。それこそ実感がないことだから、想像もつかないけど・・・・・・」

 「想像もつかないのは、私の時も同じじゃないの?」私は、圭をドロドロした人間関係に引きずりこもうとしている女を傍観者のように認めていた。それが自分自身であることの自覚は乏しかった。

 「涼ねえさんは、それを望んでいるの?」圭が、核心を突いてきた。

 「私が望むかって?それって難しい質問だね。その辺は、正直微妙かな」

 「微妙なのか・・・・・・。結局は俺が決める問題ってことだよね」

 「そう、ずるいようだけど、それが決め手なのよ。圭が有紀に、何らかの感情を持てない以上やめたほうがいいことなんだよね。でも、冷静に考えてみなよ。あの掴みどころのない有紀が、圭に抱かれたいって意志表示したんだよ。」

 私は奇妙な理屈を披露していることに気づいていた。おそらく、圭も、そのことには気づいていた。ただ、それに反駁しなかったことは、半ば有紀と関係することを承諾したも同然だった。

 「なんだか、凄く変なことになりそうだけど・・・・・・、言われてみると有紀ねえさんに認められていたなんて、ちょっと感激だよね。認められたって表現は当てはまらないかもしれないけど・・・・・・」

 「それに、有紀との関係が永遠ってわけじゃないからね。たぶん、一年くらいで終わりを告げるはずだから・・・・・・」

 「根拠がありそうな言い方だね」

 「おそらくだけど、有紀が妊娠するまでの関係だと思うから・・・・・・」

 「えっ!妊娠するまでって、まさか?」

 「大丈夫だよ、何もアンタの子供が欲しいとか、そういう意味じゃないから・・・・・・」

 「わかった。姉さんの言う通りにするよ、だから・・・・・・」

 圭は、これだけシビアな話をしながらも、器用に勃起を私の手の中で持続していた。そして、私のバギナを求めようと迫ってきた。

 「私と有紀は色んなところが似ているから、有紀だと思って抱くんならさせたげる」私は、自分の欲情を、既に満足させて余裕があった。

 「わかった、有紀ねえさんのつもりでするから、やらせて」

 「そう。だったら、私のこと有紀ねえさんって呼びながら、練習してみてよ」

 「えっ、それはちょっと」

 「だったら、私、下着つけちゃうよ」

 「わかったよ。なんだか今日の姉さんは変態っぽいよ」

 「変態ね、いいよ変態でもさ。アンタだって変態の仲間だよ。さあ頑張って」私は目を閉じ、全裸で身体を晒した。
 つづく

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終着駅44 精液の残滓と次の愛液がとろりと


 第44章

 「まさか、涼ねえさん以上の先生なんかいないよ。否、逆にいたとしても、そんなものはいらないな」

 「仮によ、有紀が私とアンタのことに気づいて、他の人に知られたくなかったら、圭に、私にしている事と同じことして欲しいけどって言われたら、アンタどうする?

 「まさか、そんな仮説自体が成り立たないんだから、考えるだけバカバカしいよ」圭は全面的に拒否の言葉を口にしていたが、私は圭の身体の変化を見逃さなかった。

 「一度くらいなら良いかもって思ってるでしょう」私は、変化しつつある圭の一部に手を伸ばした。

 圭は一瞬腰を引いたが、それ以上に抵抗はしなかった。私は脈うちはじめたペニスを指先で弄び、時折舌先で鈴口を嬲った(なぶった)。先ほど射精したばかりの圭の先端から、精液の残滓と次の愛液がとろりと溢れてきた。

 「この唇が有紀のバギナだと思いなよ。有紀と私のバギナはそっくりな顔立ちだよ。たぶん、私の何倍か経験も豊富だと思うわよ。私の知らないテクニックも教えて貰えるかもしれないわ」

 私は、有紀の舞台での気分を味わっていた。演じることなんて、土台無理だけど、観客が圭だけなら演じていても恥じらいはなかった。抵抗のポーズを示しながらも、圭のペニスだけは、私の下手糞な演技に感応していた。

 「どうよ、有紀のバギナの感じは?」

 「涼ねえさんの唇だよ。でも気持ちは良いよ」

 「今ここに有紀を呼ぼうか?」私は、とんでもないことを口にしていた。心理状態が普通ではないと思ったが、特別錯乱しているわけでもないと思った。

 「駄目だよ。むちゃくちゃになっちゃうよ。有紀ねえさんって制御不能なとこがあるからさ」圭は、有紀が制御不能になるから駄目だと言っていた。つまり、制御出来るのなら、有紀ともセックスして良いと言ったも同然だった。

 「そう、だったら念書を書かせれば良いんじゃない」

 「悪い冗談だよ、俺、そんな気ないのに、姉さんどうして?」

 「それほど深い意味なんてないわよ。ただね、有紀が近々結婚するのは聞いているでしょう」

 「うん、なんだか母さんが、玉の輿だって喜んでいたけど」

 「そう表向きはね。でも、そこには、色々な複雑さが絡んでいるのよ。だからなんとなく、有紀の心残りを消してやりたくてさ……」

 「それと、俺が人身御供の生贄にされるのと関係あるの?」

 「あるのよ。旦那となる人間から受けるだろう屈辱を帳消しにするような背徳をしておけば、有紀の心も癒されるのよね」

 「その複雑な色んなことってのは、聞いちゃ拙いわけ?」

 「そうね、聞かない方がいい。でも、圭に特別の害が加わるような問題じゃないわ。それに、私も有紀なら良いかなって思ったのよ」

 「姉さんも良いって、涼ねえさんが、有紀ねえさんと俺との場にいるってこと?」

 「そう、有紀と圭が二人だけでセックスするのは許せない気分ね。コンサルタントとして、その場にいないといけない気がするの。いや違うかも。アンタが有紀に惚れ込んだりしないように、監視したいのかも」

 「関係がむちゃくちゃになりそうだけど、大丈夫かな?」

 「大丈夫よ。アンタのがよかったら、何度かリクエストされるかもしれないけど、それで、有紀の結婚生活も、アンタ達の結婚生活も狂うことはないわよ。私たちが、どこかで吹聴しない限りね」

 「そう。でも俺、3Pなんてしたことないから、勃つかどうか分からないよ」

 「心配ないよ、圭は必ず勃つから。でも、3Pになるかどうかはわからない。私が参加したくなるか、コンサルティングするだけで終わるのか、それは、その時次第ね」

 「それは涼ねえさんの気分次第ってこと?」

 「そうね、実際に人さまのセックスを直接見て、欲情するか醒めるか、それは判らないから」

 「でも、有紀ねえさんが、そんなシチュエーションを承諾するかな?」

 「それは、それを条件にすれば、有紀が文句を言うとは思えないわ」

 「それってさ、もしかして、俺と姉さんの関係が有紀ねえさんにバレテいるってことなの?」

 「どうかな?私に鎌をかけて来たのは事実ね」

 私は、半分以上が本当で、一部フィクションを交えて、圭の反応をたしかめた。

 今自分が提案していることは、かなり背徳な提案なのだと知っていたが、有紀の望みを適えてやりたい気持と、姉弟の近親相姦に踏み出してしまった以上、有紀も共犯者にさせてしまいたい企みもあったし、さらなる性的バリエーションを愉しみたい気持ちもあり、心理状態は複雑だった。
 つづく

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終着駅43 跨られ、有紀ねえさんのおしっこの臭い


 第43章

 「猛烈な恋愛しているのかと思っていたのに、二人とも意外にクールだったのね」

 「どうなのかな、それなりの儀式のような恋愛の手順は踏んでいたけど、情熱的に、美絵じゃないと結婚は考えられないとか、そう云う情熱はなかったね。まあこの辺が安全牌かな、と云うお墨付きを前提につき合いを深くしたのかも」

 「それって、本質的に、お見合いとあんまり変わらないんじゃないの」

 「うん、合コンとかいっても、相手の立場がだいたい分かった上で会うわけだから、お見合い制度の変形っても言えるよ」

 「まあ確かに、その通りだね。以前は結構私にも声がかかって、何度か行ったけど、どこどこの誰とか、職種は何々とか、ほとんどわかっていたからね。それで社会的背景と経済力の前提は示されていたからね、見合いの変形ってのは正しいわ」

 「そうなんだよ。だから、年頃の女たちの合コンに行くことは、婿選びの場に行くんだなって、俺なんかは思っていた。親たちの寸借は消えたかもしれないけど、彼女ら本人の寸借はあるわけでしょう。そして、その寸借には、当然親の影響が関わっている。俺はそう云うものだと割り切っていたかも」

 「意外にアンタってクールなんだね。勉強以外はノホホンとしているのかと思ってたけど」

 「家の中の俺と、外の俺って、自分でも感じるけど、かなり違うかも」

 「ふ~ん、どっちの自分が本当だと思うの」

 「どっちもかな?ただ、家族っていうか、気を配らなくても生きていられる空間。そこですべてが完結する世界が一番安全、安心な世界なのかも。そんな風に考えている面はあるよね」

 「へぇ~、圭にそう云う面があるなんて、私でさえ気づかなかったよ。それってさ、社会学的に見た場合、大家族制度の共同体で起きる現象なんだよね。血縁地縁関係が主体的に動きだすと現れる現象っていうのかな」

 「それってさ、まず初めに血族結婚とか、近親結婚とか、そういうことから、社会が始まったってことじゃないの」

 「そう云う面もあるかも。あまりその辺は専門ではなかったから、考えていないけどね」

 「その所為かな、俺が涼ねえさんと一緒にいると、心が安らぐのは」

 「本当に心まで安らぐの?」

 「うん、無防備でいられる。美絵と一緒に暮らしても、この安心感はないよね」

 「あんたの安心のために私はいるわけ?」私は不愉快ではないにも関わらず、意地悪な問いかけをしていた。

 「安心のためだけじゃないけどさ、でもそれが一番価値あるように思えるんだけど……」

 「まあ正直な感想だろうね。私も圭と一緒にいて安心だしね。でもさ、仮によ、ここに有紀も入っていたらどうなるんだろうね?」

 私は、何となく有紀との会話のことを思い出しながら話した。

 血族結婚、近親結婚という語彙の登場で、口から軽い調子で飛び出した。正直、圭の反応が楽しみだった。ある意味で怖くもあったが、私と圭だけで、こういう関係を独占しているのはズルいのかもと云う奇妙な観念が働いていた。

 「有紀姉さんが此処にいる。それってどういう意味かな?姉さんと俺との関係の中に、有紀ねえさんが入ってくる、そういう意味?」

 「そう云うことになるかな」

 「そんなこと考えたこともないよ。有紀ねえさんの眼中に、俺なんて不在も同様だったんだぜ」圭は、どこか子供時代同様の感覚で、有紀への不満をぶつけた。

 「圭の有紀への印象は多くの面で間違っていると思うよ。多分、あんたは一番調子がおかしくなっていた時の有紀の記憶で止まっているのよ」

 「かもしれないけど、涼ねえさんがいたから、特に有紀ねえさんがいなくても充分だった。たしかに、そういう部分はあるね」

 「有紀があるとき言っていたよ。圭って男が弟なのが残念だって」

 私は、有紀の気持ちを過大に表現していたが、根本的には間違っていないと思った。だから、作り話だけど、真実を伝える方便だった。

 「有紀ねえさんが、そんなこと言ったってホントかな?多分、言ったとしたら気紛れに口から出たんだろう」

 「厭に、有紀に反発的な圭の方が変だよ。なにか有紀との間にあったの?」

 「別に、特別なことがあったわけじゃないよ。ただ、何となくかな」

 「簡単に言えば、食わず嫌いってことじゃないの?それとも、食われそうな感じがするのかな?」

 「どうかな、たしかに有紀ねえさんのことは、怖いと思い込んでいるんだね。子供の頃の経験からかも…」

 「そういえば、有紀は圭のこと虐めていたもんね。でもさ、あれって、支配と云うより、戯れあう感じに見えたけど」

 「傍から見ると、そう見えたかも。顔の上に跨られて押えつけられた時、俺、有紀ねえさんのおしっこの臭いを嗅いだ気になった」

 「何なのよ、それって。アンタが幾つの時?」

 「小学四年くらかな」

 「馬鹿ね、それじゃ有紀は中三だよ。オシッコの臭いじゃなく、違う匂いじゃないの」

 「その時は、俺にとって、あそこの臭いはオシッコって相場だからね」

 「それにさ、有紀は早熟だったから、当然毛も生え揃っていたわけだし、跨いだ理由が違うんじゃないの?」

 「まさか~、そんな馬鹿な。俺四年生だったんだから……」

 「たしかに、アンタは逆に晩生(おくて)だったからね。有紀を女だと感じる意識もなかったろうし、そんなもんかもね」

 「つまり、俺はこの歳まで、有紀ねえさんを誤解していた?そういう事かな」

 「ボタンの掛け違い。でも有紀も、変な欲求を圭に知られたと思っちゃって、意識的に避けていたのかも……」

 「そういう事もあるね。今度一度飲みにでも誘ってみようかな」

 「駄目よ、有紀はアンタが弟だから興味があるわけじゃないからね、二人で会うのは拙いよ」

 「えっ、それってどういうこと?」

 「だから、弟としてじゃないってことよ」

 「涼ねえさん、凄いこと言っているよ」

 「私が凄いこと言っているわけじゃないわよ。アンタも教えて貰う相手の選択間違ったのかもね」私は、半分揶揄うつもりで言いながら、どこかに嫉妬のような気持ちも抱えていた。

 圭を間に挟んで対峙しているのは、彼の妻である美絵さんなのに、美絵さんの横に妹の有紀が佇んでいる幻影が浮かんでいた。
 つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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