第11章―1
「恥骨って、左右に分かれているって知ってる?」
「えっ、ここって割れてるの?」
「そう、左右別々よ。割れてるわけじゃなく、軟骨で繋がってるみたい」
「そうなんだ、一体の骨かと思ってたよ」
「繋がってるから、一体と言えば一体だけど、軟骨だからやはり、別れているとも言うのかな」
「軟骨だから、感じる人は感じるってことだね」
「そうね。私の場合、初めのころは、相手の恥骨が当たると、痛いくらいだったわ。でも、言い方変だけど、鍛えられているうちに、痛くなくなり、お互いの恥骨が当たる快感があったり、余韻を愉しむことも、可能になったかな」私は、自分の性体験を語るつもりはなかったけど、ある程度語らないと、充分に知識を伝えきれないとも思った。
「冷静に考えると、この恥骨の下ってか、裏には膣があるってことでしょう」
「多分膣の最後尾。結局は子宮頚部あたりがあるンじゃないのかな」
「そういうことか、深いね。女体の神秘だ」
「そうね、圭も経験を積めば、女体の奥深さとか、自分自身の性的快感の奥深さとか、色んなことがきっと判ると思うわ。私だって、まだまだ未熟なのだと思っているしね」
「アダルトビデオ観ていると、結合部が見えるための行為ばかりだしね。現実、あんなに結合部ばかり見えてたら、チャンと入ってないってことだよね」
「そう云うことになるかも。この辺で、恥骨の話はオシマイにして、次に移るから、アンタは下に移動して」とんでもないことを口にしている、と思ったが、観察させる手段だから、致し方ないとも思った。しかし、Ⅿ字に開脚した股の間に圭の顔が入ってくるのかと思うと、下腹部が熱くなった。
「見えるかな」私は一呼吸して圭に尋ねた。
「綺麗だ。姉さんは全身もきれいだけど、ここは更に綺麗だ。ネットとかで、結構凄いの見てたから、嘘のようだ」圭はまたしても、賛美の言葉を口にしたが、自分の評価は別にして、鑑賞に堪えうる姿かたちのバギナだと云うことは、経験上知っていた。だからこそ、Ⅿ字開脚を実行する勇気があったのは確かだ。
「綺麗の評価はありがたく頂いておくけど、美術鑑賞じゃないんだからね」私は気分よく、圭をたしなめた。
「わかってるさ。でも綺麗だと思うのも事実だし、仕方ないよ、本当の気持ちだから」圭が不満そうに答えた。
「わかった、ありがとう。でも、見るべきものも、チャンと見て、機能とかも憶えてよ」
「機能?」
「そうなの、それなりにパーツ毎に機能があるし、多分、個性もあるのよ」
「なんだか、形状も複雑だし、個別機能もあるし、個人差まであるなんて言われたら、メモ取りたくなるな」圭は真剣に、そうに思ったようだ。
「国立大学に一発合格した記憶力を発揮しなさいよ。まあ、少しくらい忘れても、何度か聞いたり、試したり、エクササイズを重ねるうちに、自然と憶えるものよ」
「まるで、門前の小僧みたいだね」圭が笑って、その息がバギナをくすぐった。
「駄目よ、そこに息なんか当てないで」私の入り口が締まる動きをした。おそらく、圭は盗み見ただろう。でも、それを今さら隠し立てしても始まらない、私のバギナは、いま生きた標本に過ぎないのだと自分に言い聞かせた。
つづく
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