第44章二方向に展開する大型の窓には、無論レースのカーテンも視界を塞ぐカーテンもあった。しかし、今さら、行為を中座して、カーテンを閉めに行く気はなかった。
昼下がりのホテルの一室の男女の営みを目撃出来た人物は、単にラッキーな光景に出くわしただけだった。いや、場合によると、不快な光景に映る人いるだろうから、アンラッキーかもしれない。
女のヴァギナに挿しこまれた俺の指は、敦美の指なのか、腕の一部なのか判らないが、同化して激しく動いた。
しかし、敦美が選んだゲストルームのレイアウトはかなり奇妙だった。開け放たれた二方向の窓に向かってベッドが置いてあるのだから、敦美の下半身は事実上、まる見えだった。
敦美が、その状況を理解しているかどうか聞く気はなかった。窓に向かっているのが下半身だけなのだから、オ×ンコは丸見えだが、敦美の顔がまる見えと云うわけではなかった。むしろ、俺の顔の方がまる見えだった。
しかし、今さら“待った”と声を掛けられる段階ではなかった。敦美の腕も掌も指も、無我の境地で、思いっ切りの快感を得ようと走りだしていた。
俺に勃起を要求することもなく、こんな行動に出てくれたことは幸運だった。
女に性的満足を与えるとしても、自分の勃起によって、或いは、指の協力によってでは、どこか責任の重さが違うように思えた。
実際には、単なる思い込みで、俺が、敦美と云う女に負うであろう責任の量は変らなかった。
敦美の口から言葉は消え、切れ切れな息衝きが間歇的に起きた。顔は紅潮して、小鼻がこまめに動いた。
その表情から、敦美の頂点が近いのは理解できた。
しかし、敦美の言葉を信じるなら、軽いオーガズムに達した後、更なる深いオーガズムに達し、失禁するのでよろしく。
そして、失禁しているあいだ、叱咤激励して気持ち良くオシッコをさせて欲しい、と頼まれた。少なくとも、俺は、そのように理解していた。
このキングサイズのベッドを、何の養生もなしに、オシッコでびしょ濡れにする勇気はなかったが、一日2回のベッドメークがサービスの売りらしいので、失禁処理もサービスの想定範囲と言えた。
敦美にそれ相当のオーガズムが訪れ、軽い身体の硬直と弛緩が訪れた。
その表情は穏やかで、今にも寝入るのではないか、そんな印象に見えた。
しかし、それは俺の甘い見通しで、一時の休息で息を吹き返した敦美の肉体は、更なる命でも吹きこまれたように、躍動した。
つづくいつもクリックありがとうございます!
ブログ村 恋愛小説(愛欲)
アダルトブログランキングへ