第48章敦美の膣口から噴き出した液体は、かなりの時間空気に触れてもアンモニアの臭いはしてこなかった。
尿や水に比べて乾きが早く感じられた。
尿道から噴き出した尿であれば、空気に触れることで、尿素が酸化してアンモニアガスを出すと云う化学変化が起きる筈だったが、いくら嗅いでも、その臭いは感じられなかった。
これこそが、正真正銘の潮吹きなのだろうと、目撃はしたのだが、その正体やメカニズムを解明していないので、何ひとつ確信的な気分にはなれなかった。
いずれにしても、敦美と云う女の身体には、多くの謎が隠されているようだったが、特別、探求する興味は湧かなかった。
正直、敦美と云う女に対して、性的な興味はなかった。
初めて出会った日の錯乱した態度が脳裏から消えなかった。また再び、あのような女に豹変することへの怖れのようなものが、俺の片隅に残されていた。
敦美の話を信じるのであれば、彼女は被害者であり、同情する余地はあるだろうが、咎める筋合いではなかった。しかし、理屈に合わない感情を排除する義理もなかった。
今後、何らかの変化が起きて、敦美と云う女を性的興味の対象とするような時が来ても、きっと、敦美が正真正銘の潮吹きであることで、好きになるわけではないと思った。
いま、敦美に興味があるのは、彼女の夫が、自分の女房をシャブ中にしてでも横取りしたい欲望にかられた、敦美の遺産の額に興味があった。
特別、良人に代わって、俺が財産を掠め取ろうと云う話ではない。自分の女房をシャブ漬けにするとか、殺してしまうような財産と云うものは、どのくらいの額なのだろうか、そのことに興味があった。
掠め取る積りではないのに興味がある。欺瞞な言い分に聞こえてしまいそうだが、あくまで、純粋な好奇心だった。
敦美が一糸まとわずにバスルームに消えたあと、ベッドメークを頼むべきかどうか、膣口から噴き出した液体で濡れていたシーツの付近に手を当てた。
手で触れるかぎり、どこが濡れた位置なのか、はっきりとしなかった。頬を当ててみると、僅かな湿気を感じることが出来たが、特別シーツを換えさせるほどではなかった。
そして、敦美が潮吹きでオーガズムを感じてから、既に一時間以上経過していたが、アンモニア臭は一切なかった。
どのようなメカニズムで、膣から、あれ程の潮が噴出すのか、まったく判らなかった。愛液の大量放出と云うことは考えにくかった。粘着力がまったくない愛液というのも考えにくかった。
ただ、仮に、敦美と云う女と関わりあう時、敦美の側は、俺を性的な対象物と考える可能性が高かった。と云うことは、敦美と会うたびに、あの潮吹きにつき合わされる可能性があった。
まあ、事前に分っていれば、潮吹きだろうが、放尿だろうが、吸水シートでケアできるので、さしたる問題ではなかった。
しかし、敦美のオーガズム来るまで、じっと潮が吹くのを待つ自分の姿は、どこか滑稽すぎて、避けて通りたいと思った。
それを避けるにはどうすればいいのだろう。
潮吹きと云うオーガズム・ルーチンから、敦美を脱出させるのが、一つの方法だった。ただし、その脱出には、敦美にオーガズムを与える代償行為が必要だった。
その代償行為を実行するのは、無論他の男と云うわけにはいかないだろうから、当面は、誰あろう、俺と云うことになる。
ここまで考えて、俺の思考はとまった。
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