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あぶない女 40


ーご挨拶ー

いつもご愛読頂き、心から感謝いたしております。
この度、思い切って楽天koboから 『結衣との関係』を出版させていただきました。ブログで一時連載掲載していた同作品を大幅に加筆修正の上、出稿しました。
初出版のご祝儀?
そんな優しいお気持ちの読者さまがいらっしゃるかどうか分らないのですけど、チョッとだけ、本の宣伝させていただいてます。
以下の表紙画像をクリックして頂ければ、鮎川かりんの本の販売ページが、別ページで開きます。
*成人指定にしてありますので、18歳以上と聞かれる場合はイエスでお願いします。

鮎川かりん

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第40章

日本橋のOホテルは初めてだった。三越本店を抜け、三井本店の前で車を停めて、頭上に聳えたつタワービルを、サンルーフ越しに見上げた。

昭和4年に再建された新古典主義様式の三井本店は、近代建築が好き勝手に高層化している周辺をせせら笑うような重厚な外観を誇っていた。

しかし、皮肉にも、その敷地内に三井タワーは建っていた。新古典主義様式の本店ビルと超高層のタワービルは、奇妙なバランスの景観を作り上げ、異様な雰囲気を示していた。

敦美が指定したOホテルは、そのタワービルの上階に入っていた。初めての大きな建物の駐車場を探す時は、常に、気が重かったが、“OホテルP”の洒落た標識が目に入った。

本店を通過して左、左と回り込むと、タワービルとOホテルの玄関に辿りついた。敦美から知らされていた客室番号を告げ、ポーターに車を預けた。半券のようなレシートを渡されたので、バレーパーキングと云うものを初めて体験した。

ホテルの、まあ勝手口のような所から入ったわけだから、高級ホテルのエントランスに圧倒されることもなく、専用のEVに乗り込んだ。

案の定、敦美はバスローブを羽織って、ドアロックを外した。

三十分くらいで着くので、ドアを四回したらノックしたら、開けてくれと伝えておいた。その間を狙って、敦美は、あらためて熱いシャワー浴びたようだ。おくれ毛が、まだ濡れていた。

敦美は躊躇うことなく、俺に抱きついてきた。想定内の行動だったので、慌てることはなかったが、シャブに変る依存薬として、俺が代用品にされたのでは、話はグチャグチャになるだけだった。

かと言って、無碍に突き放すのも賢明ではなかった。一定の範囲で、敦美の興奮を和らげないことには、話すと云う雰囲気にすらならないのも判っていた。

敦美の湯上りの火照った身体を抱きしめ、キングサイズのベッドに雪崩れ込んだ。

一瞬にして、敦美の女体を包んでいたバスローブははだけ、たわわな乳房も、程よいウェストのくびれも、わずかな下腹と急坂のような恥丘の盛りあがりも、みごとだった。

そして、薄墨を刷いたような陰毛のあいだから、肌の色と変わらない陰裂が顔を出していた。

既に、その陰裂の隙間から、淫水が滲み出ていた。陰裂から愛液が滲み出ているということは、膣内はおびただしい陰液に満たされていることを暗示していた。

敦美の女体の状況をたしかめた俺は、シミュレーションに従って行動を開始した。

つづく

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あぶない女 39


第39章

メールの意味を敦美が理解出来るかどうか、自信はなかったが、ここから先は、その能力を信じるしかなかった。

幾分、誠実さを欠いた妥協という部分は残ったが、ほぼ他人に近い人間としての誠実さの限界だろう。これ以上、俺に何が出来るというのだ……。

目が覚めたのは、昼近かった。

俺は慌ててパソコンを開いた。どこか、後ろめたさを抱えた俺の目に、はじけた文面のメールが飛び込んできた。

“ヤッホー!家出してきたよ。今、日本橋のホテルにチェックインしたよ。三日連泊で部屋が取れたので、ゆっくりのんびり。明日、会うのもこの部屋にしよう。キングサイズのベッドもあるし、景色も最高!”

敦美のメールは相当軽薄なものだったが、俺の重苦しい気分を解消してくれた。

“キングサイズ”のベッドという言葉が書き込まれている以上、そのベッドの上で性的な行為をしようという含みがあるのだろう。しかし、俺のどこかで、危険を知らせる警報が鳴っていた。

敦美の固太りな肉体には、男を魅了するものがあった。無論、シャブ中毒症状が現れている女でなければ、あの場で、文句なしに、かぶりついていただろう。

しかし、敦美が薬を飲むのをやめたよ、と知らせてきたメールが真実だと云う証明はなかった。シャブ中の度合いにもよるのだろうが、仮に、強い意志があったとしても、そう簡単にシャブの摂取から遠ざかれるものなのだろうか。

シャブ中の女と、男女の関係になった場合、俺にどのような危険が及ぶのか、そこがハッキリはしなかったが、警報機が鳴ったということは、危険の累が及ぶぞ、ということなのだろう。

敦美が、今回の家出の実行に、どのくらいの決意で臨んだのか、今ひとつ、ピンと来ない部分があった。その点は、会って聞き質すのが一番だった。しかし、会う時には、敦美は服を身につけていないような気がした。

敦美に“家を出てしまえ”とアドバイスしたのは、誰あろう、俺だった。アドバイスをした以上、そのアドバイス通りに行動した人間に対して、忠告者として協力する義務は、それなりにあるだろう。

仮に、その協力に、何らかのリスクがあると思われても、そこは、目を瞑るのが筋かもしれなかった。まして、あの肉体がご褒美でついてくるのであれば、悪い取引とは言えなかった。

敦美と云う女を全面的に信じるには、材料が不足していた。生で敦美の望みに応じるのは危険だった。

……そうか、シティーホテルだとすると、アダルトグッズの自販機はないのだから、俺のどこかを使わざるを得ない。指だけで済めばいいが、それで満足するとも思えない。そうなると、アソコを使うこともありそうだ。コンドームも用意しないと……

男の方が、やりたがるのが一般的だが、なぜか、敦美と俺の関係はまるで逆さまだった。それもこれも、敦美のシャブ中が原因だった。

本人の意図によるものではなかったが、結果的に、敦美自身はシャブ中になっていた。俺が持っていたシャブ中患者への印象は酷く悪いものだったので、当然、敦美への対応は冷たいものだった。

ただ、敦美がシャブによって、覚醒状態になっていたお陰で、俺の冷たい仕打ちが、記憶から消えている点が救いといえば救いだった。

つづく



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あぶない女 38


第38章

“明後日ですね。分かりました。今にでも逃げ出したい気持ちですけど、我慢します。もう、薬は飲んでいません。だから、少し鬱っぽくなっていますけど、嫌いにならないで下さい。ちなみに、アイツには、させていません”

敦美という女は、いつ寝ているのか頭をひねる速さで返事を返してきた。書き順は支離滅裂だが、言おうとしている要点は伝わるメールだった。

こうなると、敦美の、手の平を返したような態度が気になった。

悪事を企んでいる旦那の側は、注意深いに違いないのだから、今まで通り、やせ薬を飲み、欲情した女でいる方が安全だった。

しかし、薬を続けて飲めと注意するのも奇妙だった。

出来ることなら、薬で欲情した女房を演じ切れと言いたいところだが、それを伝えることで、こちらへの信頼感が、揺らぐリスクがあった。

しかし、何も注意せずに、旦那に早々に気づかれるのも、無責任過ぎる気がした。

この際、どのような注意が適切なものか、酷く迷った。

急に生理不順になったとか、作り話をするのが良いのか。風邪をひいて具合が悪いとか、そのほうがマシな言い訳なのか、かなり迷った。

しかし、鬱な状況に至っている敦美に、上手に嘘を言って、演技しろとアドバイスすること自体、無謀な賭けだった。

“もし、可能であればだけど、明日中に、そこからの逃げ出す手はあると思うよ。
有り金もって逃げ出すことが可能なら、それが一番安全かもしれない。
思い出のある物を持てるだけ持って、先ずは逃げ出すのも、一つの手だよ。
俺の予感だから、たしかではないけれど、君の演技だと、直ぐに旦那さんにバレル危険があると思うんだよね。
金さえあれば、物は幾らでも、後から買えるわけだしね。
どこでもいいから、ホテルにチェックインするのが安全策かも”

敦美に、意味が通じるかどうか判らなかったが、俺はメールを送信した。あとは、野となれ山となれ、幾分誠実さには欠けているかもと思いながら、睡魔に襲われた。

つづく

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あぶない女 37


第37章

かなりの長文だから、レスポンスは夜が明けてからだろうと、パソコンを閉じて、読みかけの本を開いた。

推理小説のイントロ部分を読みながら、ストーリーの展開が見えていた。読む時間が無駄な小説かもしれないと思いながら、ページをパラパラと捲った。

やはり、名前を聞いたことがない作家の作品はこんなものだろうと落胆しながら、ページを飛ばした。

ある同人誌に頼まれて、”隠れた作家発掘”と云うコーナーと云う連載に紹介する仕事の延長線だった。当然、定価で本を買っていたら、赤字になりかねないので、ブックオフの百円コーナーからつまんでくるのだが、評論に至る作家は滅多に見つからない。

それでは、隠れた作家発掘に穴が開くので、最近では小説家と云うカテゴリーを外してもらって、何とか息をついているが、実のところ、それでも、コーナーを埋める作業は青息吐息だった。

期待薄と思っていた、その女流作家の作品が思わぬ展開を見せはじめた。小説は、ちゃんと読めと主張していた。

こんな感じで、メッセージを発信する作品は、限られている。今回は幸運だった。

どこで展開が変わったのか、変わり方に不自然さはないか、入念にストーリーを追いかけはじめた。

文章は可もなく不可もなし。まあ読むに耐えられるレベルにあった。

後はストーリー次第だった。そのストーリーが目を引いたのだから、今月の隠れた作家の仕事は半ば終わったも同然だった。

十年間電池を取り替えていない掛け時計の針が午前五時を指していた。寝る前に、NYの為替と株の状況を確認しようとパソコンを開くと、メールの着信があった。

敦美からのメールだった。

“優しいメールありがとう、とても嬉しかった。多分、アイツの目的は、父の遺産だと思います。
今のところ、銀行に入っている額は2億円程度ですが、その他に、父が創業した会社の株や住んでいた家等を処分すると、あと4億くらいあるそうです。父の会計士だった人に手続き頼んでいます。
エッチの目的は、殆どない筈です。おそらく、愛人がいる筈です。ただ、あの薬のせいで、私がイヤラシクなることで、偶然でしょうが、見えない綱で縛りつけられる事も出来るのだ、と思っているでしょう。
あなたの質問ですが、無論、答えは1です。
速攻で逃げ出したい気分です。でも、そのために、具体的に、どのようにすればいいのかが分からないだけです。
ぜひ、一日でも早く、アイツから抜け出す手助けして下さい。ほかに頼めそうな人もいないので、よろしくお願いします”

敦美のメールは、まともだった。

細かい部分で注文はあるが、まあ、爆弾女だと思っていた敦美からのメールなのだから、大幅に割り引く必要があった。

俺は早速、返信した。

“そうだね、俺が協力可能なことなら手助けするよ。あまり、頼られ過ぎるのは無理だけど、一定の範囲、君が、最低限一人出来る状況になるまでの、手伝いは可能だと思うよ。夜に会うのは、色んな意味で問題があるだろうから、昼間が良いでしょう。
明日は、用事があるので、明後日、この間と同じ時間に、同じ場所で会いましょう。
もし、都合が悪いようなら、君の都合の良い日時知らせてください”

後のことは、すべて、会った上で決めればよかった。メールで、細かなことを話すのは、行き違いが起きそうな相手だった。

つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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