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昼下がり、行きずりの男と女 あぶない女 53


第53章

昼下がり、行きずりの男と女が高級連れ込み宿の門をくぐり、一緒に風呂に入り、その檜風呂の中で、半ば強制的なかたちでフェラチオを受け、尚且つ射精したと云う事実から推測する限り、連絡をすると云うことは、概ね男女の関係になることを、強く暗示していた。

しかし、と思った。

敦美は根拠のある関係だが、新井寿美と云う女との関係は根拠薄弱だった。いや、殆ど男女の関係になる根拠はなかった。掴みどころのない男女関係ほど不安定なものはなかった。不安定なだけなら良いのだが、不安定の上で、関係を継続する場合、その相手の心を掴む努力を強いられる。これが、想像以上に難しい。

あのアンバランスな生活環境を持つ、寿美と云う女の気持ちを繋ぎとめる器量が俺に備わっているか、かなり疑問だった。徒労を金と時間で買いに行くような気もした。

仮に、俺程度の器量で満足する女であれば、敢えて、あらためて五人目、六人目の女にする必要はなかった。ただ、まだ関係を結んでいない分だけ、女自身の実力以上に、寿美はいい女に思えた。

こうして、俺は、相手の女の良いところを見つけては、意志薄弱な心持ちのまま、意志薄弱に関係して、下駄の雪のように、女を抱え込んでしまうのだった。

いずれ、このような生活が、俺の人生に大きな衝撃を与えるのではないだろうかと予感しながらも、その生活習慣を容易に放棄する気にはなれなかった。

まぁ、そんな自責の念に捉われていたのは数分で、猛獣を追いかけるハンターのような性向が、俺の身体をあっさりと包み込んでいた。

シャネルスーツの女の家を探す必要はなかった。いまは、敦美のフリーハンドな部屋を見繕うだけなのに、色々と考えを巡らしながら、物件を眺めていた。

西武新宿線が良いのは判ったが、路線図の見当もつかなかった。記憶が正しければ、5年近い人生で、西武線に乗る機会はなかった。東武線と云う路線も乗った記憶がなかった。

リビングでは、女房とその友達数人が、茶菓子を食べながらテレビを観ていた。番組は旅番組なので、バラエティ番組の時のような馬鹿笑いはなかった。

たしか、リビングに都内の路線図が載っているパンフレットがあったのを記憶していた。本来であれば、挨拶が面倒で、客がいる時にはリビングに顔を出さない俺の顔を見て、女房が訝った。

致し方なく、ひとあたり、如才なく挨拶を交わし、用件を伝えると、リビングを引っ掻き回されたくない女房は、直ぐに探して持って行くと宣言した。

そのパンフレットが、どこにあるか記憶があるのだろう。もしかすると、そのパンフレットの近くに、大切な何かを隠し持っているのかもしれなかったが、まったく興味はなかった。

たしかに、女房は間髪を入れずにパンフレットを届けた。西武新宿線の路線図に書き込まれている駅は、半分以上、縁もゆかりもない町だった。未知の町と俺と云う関係に考えが至ると、もう一つ新たな人生が加わったようで、心が豊かになった。

下落合、沼袋、鷺ノ宮、井荻、上石神井、田無、小平……。西武新宿線の駅名を眺めてみたが、知っている町は、下落合、井荻、田無くらいのものだった。

正直、西東京方面と云うシャネルスーツの女の焼肉屋が、西武新宿線上にあるという前提なだけで、西東京という地域で考えるならば、西武池袋線にあっても不思議ではなかった。

ただ、シャネルスーツの女が、新宿から山手線に乗った事実と、新大久保で買い物をした事実を重ね合わせて、新宿発の路線を想定したに過ぎなかった。

しかし、シャネルスーツの女は、現実逃避するように新宿に出てきていると思える部分が強いのだから、俺と会う場合、新宿地域を逢瀬の場所に指定する確率は高かった。

俺の存在は、あの女にとって非現実的な存在のはずだから、焼肉屋に近くては、その存在価値を傷つけるようなものだった。

つづく


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あぶない女 52


第52章

家に向かうタクシーの中から、敦美が望む住まい探しを、知り合いの不動産屋に頼んだ。

この不動産屋に、愛人の家探しを依頼したのは三度目だ。敦美の場合、愛人と云うわけではないが、他人は愛人に違いないと思うのだろう。

相手が、どう思っているか、特別気にはならなかった。何らかの事情で、反目するような事があれば、多少のリスクにはなるが、バレタからといって、家庭騒動は起きるような家ではなかった。

金に余裕のある物件探しは気楽だった。家に辿りついた頃には、仕事部屋のFAXに、10軒近い物件の見取り図や条件概要の資料が届いていた。

家賃15万前後の1LDKは、物件そのものは少ないそうだ。おそらく、一人住まいはワンルームになるし、残りはファミリータイプになるので、その中間のニーズが少ないと云うことだろう。

送られてきた物件は、気を利かせたのだろう、俺の最寄駅から直通で行ける町が選ばれていた。それほど頻繁に行くことはない筈だが、特に文句もなかった。

果たして、頻繁に行かないと云う俺の思惑を、敦美が納得すかどうか、その自信はなかった。考えてみると、敦美に対して、旦那のもとから逃げ出せと言った手前、暫くは面倒見るのが人情と云うものだった。まぁ、他の女との時間を削れば、どうにか都合はつくだろう。

それよりも、と俺は思った。あの新大久保の女の方が気になっていた。寿美(ひさみ?)と云う女の名前から類推すると、朝鮮系の女に使われる名前だった。新井と云う苗字も半島系の人々が好んで使う苗字だった。

新大久保の女がロシア人であろうと、朝鮮人であろうと、蠱惑的であることに変りなかった。敦美には、財産と云う誘惑材料があるが、寿美には、計算できない危険な臭いもする、ポイズンな魅力が備わっていた。

住所録に加えられるであろう二人の新しい女は、出来れば同一ルートに住んでいることが理想だった。車移動であれば、同じ幹線道路沿いだと尚よかった。

つまり、西東京の端にあると云う寿美の焼肉屋と敦美の棲む隠れ屋は、同一の沿線にある方が好都合だった。
 
新井寿美と云う女は、逢瀬の場所を新大久保方面に望むかもしれなかった。そうなると、西東京と新宿の間で、敦美の住まいを探すのがベストだった。

西武新宿線沿線が有力候補だ。おそらく、西東京と言ったのだから、寿美の焼肉屋は、田無から小平の周辺にあるのだろう。ということは、敦美の部屋が西武新宿線沿いで探せば良いことになる。

取らぬ狸の皮算用かとも思うが、決して当てずっぽうなに思いを巡らしているわけではなかった。

昼下がり、行きずりの男と女が高級連れ込み宿に入り、一緒に風呂に入り、その檜風呂の中で、半ば強制的なかたちでフェラチオを受け、尚且つ射精したと云う事実から推測する限り、連絡をすると云うことは、概ね男女の関係になることを、強く暗示していた。

しかしと思った。敦美は根拠のある関係だが、新井寿美と云う女との関係は根拠は薄弱だった。いや、殆ど男女の関係になる根拠はなかった。掴みどころのない男女関係ほど不安定なものはなかった。不安定なだけなら良いのだが、関係を継続する場合、その相手の心を掴む努力を強いられる。これが、想像以上に難しい。

あのアンバランスな生活環境を持つ、寿美と云う女の気持ちを繋ぎとめる器量が俺に備わっているか、かなり疑問だった。仮に、俺程度の器量で満足する女であれば、敢えて、あらためて五人目、六人目の女にする必要はなかった。
ただ、まだ関係を結んでいない分だけ、実力以上に、寿美はいい女に思えた。

こうして、俺は、相手の女の良いところを見つけては、意志薄弱な心持ちのまま、意志薄弱に関係して、下駄の雪のように、女を抱え込んでしまうのだった。

いずれ、このような生活が、俺の人生に大きな衝撃を与えるのではないだろうかと予感しながらも、その生活習慣を容易に放棄する気にはなれなかった。

つづく

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あぶない女 51


第51章

二度目の勃起は疲れを忘れたように縦横に動いた。敦美に潮吹きによるオーガズム以上のオーガズムを与えたい一心で、俺は、敦美の中に居座った。

しかし、そのすべてが俺の思い込みだった。

屹立状態のペニスに、あらゆる努力を命じたが、敦美に潮吹きの時に見せた恍惚の顔をさせることは出来なかった。

達成感のない行為に疲れ果て、俺は身体も心もベッドの上に投げ捨てた。

「怒ったの?」

「まさか。単に疲れたから、今日は、もう良いかな、そういう感じ……」

「私のこと嫌にならないでね」

「大丈夫だよ。でも、君が考えるほど俺は若くないから、こっちの方はお手柔らかにね」

「そうなの。一回目だって良かったし、二回目のアレなんて鉄棒みたいになってたわ」

「それとこれとは違うんだよね。良く判らないけど、アレは勝手に勃ってしまうシロモノだからさ。俺の体力と無関係な動きをするんだよね」

「へえ、困った生き物ね」

「そう、若い頃は、自己制御出来たんだけどね、俺くらいの歳になると、持ち主の言うことを聞かなくなる。必要な時に勃たなかったり、不必要な時に勃ッたりするからね」

「でも、今日は元気だったわ。今日って、不必要な日じゃないよね」

「今日は必要な日に、ちゃんと勃ったね。二度目は強制的だったけどさ」

「私ってさ、あの時の表情を上手く表現できないの。だから、気持ちが良いのに、気持ちが良くないみたいに誤解されて、何度か失恋したことがあるの。随分、セックス沢山したけど、自己表現が下手なのよね……」

俺は、敦美の話を聞きながら、初めて会った時の、敦美の嬌態はなかった事になるのかと訝った。

いや、あの時の自分は幻影であり、敦美の中では、あずかり知らぬ事として消化されているのだろう。敢えて聞き質すことでもなかった。

敦美は執拗に泊まって欲しいと懇願されたが、仕事の邪魔をするような女は嫌いだし、つき合いを続けることは難しくなる、と多少不機嫌を装って話すと、仕事は大切よねと、同調することで、自分の要求ははじめからなかったような顔つきになっていた。

最後には、俺が何度か電話を入れることで、手打ちになった。まあ、家出してきた敦美としては、絶大な保護者を求めているのだから、その要求にくらい応じてやるのが人の縁だった。

つづく

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あぶない女 50


第50章

敦美の開放する言葉に誘導された俺の勃起は、まさしく、敦美の中心に収まった。

不思議なこともあるものだが、俺は敦美の中に勃起を挿し込んだだけで、何をすべきか、失念していた。

意志を失ったペニス、いや充分に勃起しているペニスを、敦美の中に埋没させておきながら、どのように動いて良いものか、方向を見失っていた。

そんな迷路で戸惑っている俺のペニスを、強く撫でまわす力を感じて、たじろいだ。

敦美の膣壁が強く確かな蠕動運動繰り出し、気もそぞろに右往左往しているペニスの先に命を吹きこんだ。

「口を塞いで!」敦美の言葉は、有無を言わさぬ力強さがあった。

俺は命じられるままに唇を重ね、激しく唾液を交換した。まさに、覚醒剤感染確実な行為に引き摺り込まれている、そんな錯覚に陥りながら、それでも構わない、そんな気分にまで誘い込まれた。

魔性の女なのか、この敦美と云う女は。そんな疑念を抱いたのは瞬間で、その殆どは、魔性な女でも、覚醒剤感染であれ、今の敦美の膣が与えてくれる快感に身を任せていた。

野生の動物であれば、既に、天敵に襲われ命を失うほど惚けた状態で、女の膣内挿し込んだ勃起の快感に身を任せた。

「いつでも良いから、出して……」

敦美は、極点に達した勃起を感じたのか、膣内に射精することを許した。いや、望んだ。

男には、膣内に射精する行為に対して粗雑さがある。時と場合によると、のっぴきならない問題を抱えることになると云う自覚がありながら、まさか、そんなことにはならないに違いない、と云う奔放さがあった。

その時の俺もそうだった。この女は、性の対象ではないと感じていたのは、数十分前ではないか。それが、今では、膣内に精液を注ぎ込もうとしている。矛盾な行動と云うよりも、考えたことが、欺瞞の証明になっていた。

半ば惚けた状態で、俺はベッドに横たわり、敦美と云う女に下半身を預けていた。

ほんの少し前に、たしかに敦美の膣内に射精したはずのペニスが、敦美の口中で勃起しているのを確信していた。

俺の肉体に、こんな力が残っていたことは驚きとしか言いようがなかった。おそらく、正確に言うならば、敦美の器量が、そのような現象を惹き起こしていると言うべきだった。

いま、勃起しているペニスは、俺の勃起ではなく、敦美の勃起のようだった。

敦美に、そのような幻惑的器量が備わっているのか、俺が、勝手に、敦美に蠱惑なにょしょうの存在を作り上げたのかハッキリしなかった。不思議なことは続いた。

射精後の奇妙な屹立状態の勃起を、再び敦美の陰部に挿しいれた。

自分の精液であるにも関わらず、挿入した時点では、肉体は不快に満たされていた。

もうここまで来ると、男と云うもの、後戻りは出来ない。何とかして、心持ちの良い状況まで努力を惜しまなかった。

敦美の膣内の、俺自身の精液を、雁部を駆使して掻きだす作業に没頭した。比較的高めの雁部のお蔭で、射精後の残滓の感触は和らぎ、送出の繰り返しは、気がつくと、いつものセックスの送出運動になっていた。

つづく

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あぶない女 49


第49章

敦美は、一糸まとわぬ姿でバスルームから出てくると、窓際に佇んだ。

おいおい大丈夫かと思ったが口には出さなかった。

まだ、俺の中では、敦美と云う女はテリトリーの外にいる女だった。その所為だろう、敦美が隣接のビルの窓から、その裸身を盗み見られても、特別気持ちが動くこともなかった。

まだ、敦美と俺と云う男の関係が希薄だと云う証明ようだった。男女の関係でなくとも、親しい関係だったら、もう少し違った対応をしただろうと、醒めた自分の気持ちに、幾分嫌悪を覚えた。

暫くすると、裸身を晒すことに飽きた敦美がベッドに潜りこんできた。

「抱いて貰える」敦美が長い脚を絡ませてきた。

いま、俺はこの女を抱きたいのか、自分の身体に答えるを求めるように、女の中心に指を伸ばした。

敦美を、潮を吹いたとき以上の恍惚に浸らせることは困難に思えた。しかし、女の中心に指を挿し込んだ挙句、何もしないというのも不自然だった。

親の遺産を手に入れたばかりに、亭主に覚せい剤漬けにされそうになった女、重大な犯罪の被害者なのだから、間違いなく気の毒な女だった。

気の毒な女と性的魅力は別物だろうが、敦美は充分に性的魅力を持ち合わせた身体の持ち主だった。

にも拘らず、敦美の身体に対して強く勃起してこない俺の身体は、何なのだろうか。

どこかで、敦美と云う女に怖れをなしているのではないだろうか。初めて会った時のシャブ中毒患者独特の症状に怖れをなしているのかもしれない。そして、敦美と合体することで、中毒が感染するような非科学的気持ちになっているのかもしれなかった。

であれば、敦美への冒涜でもある。敦美自身に関わりのない出来事で、俺は敦美と云う女を評価していることになり、はなはだ公正さにかけていた。

こんなことを考えながら、女の陰部に指を挿しいれていること自体、ひどく違反な行為をしている心持ちだった。

ルール違反を犯している俺の指は、即刻抜き去るべきだった。そして、俺はその通り、指を敦美の陰部から抜き取った。

「駄目、入れておいて。入っているだけで充分気持ちいいんだから……」

「そう。でも、その気にさせて、締めくくれないかもしれないからね……」

「それは男の人の誤解よ。セックスの締めくくりが、挿入とか射精って理解は間違っていると思うよ。胸を揉まれていても、充分性的だし、お尻を揉まれても性的だし、指を揉まれている時も、充分に性的。それだけで、行くこともあるわ。だから、元に戻して、貴方の指を……」

俺は言われるままに、指を再び、敦美の身体の中心に挿入した。そして同時に、自分の下半身が目覚めてゆくのを他人のように感じていた。

つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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