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あぶない女 49


第49章

敦美は、一糸まとわぬ姿でバスルームから出てくると、窓際に佇んだ。

おいおい大丈夫かと思ったが口には出さなかった。

まだ、俺の中では、敦美と云う女はテリトリーの外にいる女だった。その所為だろう、敦美が隣接のビルの窓から、その裸身を盗み見られても、特別気持ちが動くこともなかった。

まだ、敦美と俺と云う男の関係が希薄だと云う証明ようだった。男女の関係でなくとも、親しい関係だったら、もう少し違った対応をしただろうと、醒めた自分の気持ちに、幾分嫌悪を覚えた。

暫くすると、裸身を晒すことに飽きた敦美がベッドに潜りこんできた。

「抱いて貰える」敦美が長い脚を絡ませてきた。

いま、俺はこの女を抱きたいのか、自分の身体に答えるを求めるように、女の中心に指を伸ばした。

敦美を、潮を吹いたとき以上の恍惚に浸らせることは困難に思えた。しかし、女の中心に指を挿し込んだ挙句、何もしないというのも不自然だった。

親の遺産を手に入れたばかりに、亭主に覚せい剤漬けにされそうになった女、重大な犯罪の被害者なのだから、間違いなく気の毒な女だった。

気の毒な女と性的魅力は別物だろうが、敦美は充分に性的魅力を持ち合わせた身体の持ち主だった。

にも拘らず、敦美の身体に対して強く勃起してこない俺の身体は、何なのだろうか。

どこかで、敦美と云う女に怖れをなしているのではないだろうか。初めて会った時のシャブ中毒患者独特の症状に怖れをなしているのかもしれない。そして、敦美と合体することで、中毒が感染するような非科学的気持ちになっているのかもしれなかった。

であれば、敦美への冒涜でもある。敦美自身に関わりのない出来事で、俺は敦美と云う女を評価していることになり、はなはだ公正さにかけていた。

こんなことを考えながら、女の陰部に指を挿しいれていること自体、ひどく違反な行為をしている心持ちだった。

ルール違反を犯している俺の指は、即刻抜き去るべきだった。そして、俺はその通り、指を敦美の陰部から抜き取った。

「駄目、入れておいて。入っているだけで充分気持ちいいんだから……」

「そう。でも、その気にさせて、締めくくれないかもしれないからね……」

「それは男の人の誤解よ。セックスの締めくくりが、挿入とか射精って理解は間違っていると思うよ。胸を揉まれていても、充分性的だし、お尻を揉まれても性的だし、指を揉まれている時も、充分に性的。それだけで、行くこともあるわ。だから、元に戻して、貴方の指を……」

俺は言われるままに、指を再び、敦美の身体の中心に挿入した。そして同時に、自分の下半身が目覚めてゆくのを他人のように感じていた。

つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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