第50章敦美の開放する言葉に誘導された俺の勃起は、まさしく、敦美の中心に収まった。
不思議なこともあるものだが、俺は敦美の中に勃起を挿し込んだだけで、何をすべきか、失念していた。
意志を失ったペニス、いや充分に勃起しているペニスを、敦美の中に埋没させておきながら、どのように動いて良いものか、方向を見失っていた。
そんな迷路で戸惑っている俺のペニスを、強く撫でまわす力を感じて、たじろいだ。
敦美の膣壁が強く確かな蠕動運動繰り出し、気もそぞろに右往左往しているペニスの先に命を吹きこんだ。
「口を塞いで!」敦美の言葉は、有無を言わさぬ力強さがあった。
俺は命じられるままに唇を重ね、激しく唾液を交換した。まさに、覚醒剤感染確実な行為に引き摺り込まれている、そんな錯覚に陥りながら、それでも構わない、そんな気分にまで誘い込まれた。
魔性の女なのか、この敦美と云う女は。そんな疑念を抱いたのは瞬間で、その殆どは、魔性な女でも、覚醒剤感染であれ、今の敦美の膣が与えてくれる快感に身を任せていた。
野生の動物であれば、既に、天敵に襲われ命を失うほど惚けた状態で、女の膣内挿し込んだ勃起の快感に身を任せた。
「いつでも良いから、出して……」
敦美は、極点に達した勃起を感じたのか、膣内に射精することを許した。いや、望んだ。
男には、膣内に射精する行為に対して粗雑さがある。時と場合によると、のっぴきならない問題を抱えることになると云う自覚がありながら、まさか、そんなことにはならないに違いない、と云う奔放さがあった。
その時の俺もそうだった。この女は、性の対象ではないと感じていたのは、数十分前ではないか。それが、今では、膣内に精液を注ぎ込もうとしている。矛盾な行動と云うよりも、考えたことが、欺瞞の証明になっていた。
半ば惚けた状態で、俺はベッドに横たわり、敦美と云う女に下半身を預けていた。
ほんの少し前に、たしかに敦美の膣内に射精したはずのペニスが、敦美の口中で勃起しているのを確信していた。
俺の肉体に、こんな力が残っていたことは驚きとしか言いようがなかった。おそらく、正確に言うならば、敦美の器量が、そのような現象を惹き起こしていると言うべきだった。
いま、勃起しているペニスは、俺の勃起ではなく、敦美の勃起のようだった。
敦美に、そのような幻惑的器量が備わっているのか、俺が、勝手に、敦美に蠱惑なにょしょうの存在を作り上げたのかハッキリしなかった。不思議なことは続いた。
射精後の奇妙な屹立状態の勃起を、再び敦美の陰部に挿しいれた。
自分の精液であるにも関わらず、挿入した時点では、肉体は不快に満たされていた。
もうここまで来ると、男と云うもの、後戻りは出来ない。何とかして、心持ちの良い状況まで努力を惜しまなかった。
敦美の膣内の、俺自身の精液を、雁部を駆使して掻きだす作業に没頭した。比較的高めの雁部のお蔭で、射精後の残滓の感触は和らぎ、送出の繰り返しは、気がつくと、いつものセックスの送出運動になっていた。
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