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終着駅52-2 私の快感は狂乱的だった。


 第52章―2

 私たち三人は、今、セリフのない寸劇を演じている。

 圭も有紀も私も、なんらしめし合わせてもいないのに、そのような舞台にいると思うことで、あらゆる免罪符を、全員が望んでいたということなのだろう。

 同じ家に生まれ、同じ環境で育った三人に共通の不文律的知恵があったともいえる。

 どのようなわけで休息していたか判らなかった圭が、再び始動した。

 充分に濡れている膣口なのに僅かに痛みが走った。

 しかし、その痛みは瞬間であり、次には、キリきりと音を立てているような、圭の怒張の攻めが佳境を迎えているようだった。

 私も、圭の動きに呼応して、気を入れた。間もなくイケル!そう思った瞬間に、私の乳房に有紀の手が伸びた。

 ……何てことするの!……私は叫びたかった。

 しかし、いまの三人の暗黙の約束を違えることは出来なかった。こうなった以上、その状況をも快感に取り入れなければと、瞬時に決心がついた。

 有紀の指先が、的確に私の乳房の真ん中の乳首へ、愛撫にしてはかなり強い刺激を与えてきた。

 無我に入った私は、乳首が膣オーガズム同様の快感を齎す(もたらす)事実を知った。

 圭が、収縮しきった膣から、亀頭を抜き、間をあけているあいだ、有紀がつねるように指に力を入れるたびに、膣奥では、異なる快感が発生していた。その快感のメカニズムなど、考えている余裕はゼロだった。

 圭が僅かな休息を終え、強引に亀頭を突き入れてくると、有紀の指は優しく乳房に当てられていた。

 圭と有紀の呼吸が完全に一致して、私を叫ばしてしまう程の性戯とは、何なのだろう。阿吽の呼吸と言うには、あまりにも一致していた。しかし、それを考える以上に、私の快感は狂乱的だった。

 決してオーガズムに至らない快感は、終わりのないレズビアンの快感であるのかもしれない。しかし、圭の怒張は紛れもなく、オスのペニスであるし、私は思考を完全に停止した。

 繰り返し行われる、圭と有紀の交互の攻めが、私の体力を奪った。

 永遠の快感がえられるのだけれど、体力が続かないと云う出来事に初めて出遭った。

 私は腕をなんとなく差し出して、タイムを要求した。そして、その動きに、ふたりが戸惑っている隙に、するりと体を躱した(かわした)。

 私の身体は、有紀を乗り越えた。そして、有紀の身体を、さっき私が翻弄されていた位置に押し出した。プロレスのタッグマッチのように、リングに押し出された有紀は抵抗することなく、私に替わって足を広げた。
 つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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