第52章-1 圭の指先が軽く触れ、脚を開くことを促した。私は、従順にその指示に従った。床に置かれたアップライトなスタンドが、圭の右半身を照らしていたが、あまり圭の表情のすべてを目にするつもりのない私は目を閉じた。
なんの前触れもなく、いきり立った圭の怒張が挿し込まれた。
満杯になっていた愛液が、鈍い音を伴って膣口から会陰に向かって流れ出た。
どこで覚えたのか知らないが、圭は何度か怒張の先の段差を利用して、私の膣内で過剰になっていた愛液を排出するように、抜き差しを繰り返した。
おそらく、その排出された粘液を、タオルかなにかで、軽く拭き取っているようだった。
もう私は、恥じらいを捨てていた。私はアクトレスなのだから、観客が身を引くほど貪欲な淫婦の役に徹すればいい。舞台に上ることを、演出家の有紀に命じられたのだから、その要望に応える演技に徹すればいいのだ。
ようやく、膣内の圭の亀頭の動きをはっきりと感じるようになってきた。
しかし、いつもに比べ硬直度が少ない感じがした。圭にしても、このような状況への対応が不十分なのだろう。人の子であれば、このようなシチュエーションに自然に同化する方が、逆に奇異だった。
ペニスの抜き差しを中心とするセックスは、圭と私の間では、あまり通常的に行っていない行為なので、新鮮さはあった。
次第に、陰茎にも力が漲り、いつもの張りを取り戻した圭の怒張が、膣壁の触診でもするように丁重に行き来していた。
再び、私の膣壁から愛液が流れだし、結合部では淫猥な音を奏でていた。
間近に横たわる有紀に、この音が聞こえないわけはなかった。演出家から“カット”や“ダメ出し”されない限り、私の演技は上手く行っているのだろう。
膣奥に攻め込んでこない圭の行為に、多少の不満を持っていたが、抜き差しのピッチが上がるに従い、膣壁が急速に収縮し、抜き挿す亀頭部を逆に攻めた。
攻められているように見えて、組み敷かれた方が上にいる者を攻めている柔道の技があったが、何という名前かは忘れた。
圭が、怒張を抜いたまま、休息を取り出した。
以前、竹村も、このような仕草を見せたことがある。彼の説明によると、ペニスに皮膚呼吸をさせることで、快感が倍増すると聞かされたが、圭のは、意味あいが違うような気がした。
“どうしたの、きつ過ぎる?”そんな言葉を口にしてしまいたい衝動があったが、私は、黙って次の動きに期待した。
つづく
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