第447章その夜、有紀は、当然の約束事のように、私の身体に手を伸ばしてきた。私も、抵抗なく、有紀の下半身に手を伸ばした。
久しぶりのビアンな交歓だった。有紀は濡れていた。
私の部分は、濡れている実感がなかった。無論、不快である筈もなく、それ相当の快感は伴っていたが、以前のような鋭角的感覚は消えていた。
私は、自分の性感が、出産後で鈍感になっている事実に気づいた。あきらかに、授乳の真っ最中の女の身体だと云うことを思い知らされた。
しかし、精神的に、性に対する欲求は強かった。
動物的な性欲はお休み中なのだろうが、精神的性欲は、何らかのけじめを求めていた。
おそらく、僅かにだが、もしかすると、性感を得ることが出来る、人生最後のチャンスと云う強迫観念があったのかもしれない。
治療を開始して、そのまま戻らない人になると云う不安感が、私に、それを求めさせているのはたしかだった。
しかし、私の肉体は、鈍感期間だと主張して、快感の入り口から先に行く兆しはなかった。
私は唯一の選択肢を選び、攻撃に終始した。
有紀が私の性感が不十分なことに気づいていたかどうか判らないが、私の行為を快く受けとめ、強く喘ぎだしていた。
有紀の喘ぎ声に呼応するように、私のサディズムな面が目覚めてきた。
有紀の股間に顔をうずめ、アナル、膣前庭、陰核に向けて、攻撃を仕掛けていた。
行為が的確に有紀の性的ポイントを攻め切れているかどうか、自信はなかったが、それでいいよ、と有紀が喘ぎ声で答えていた。
有紀の反応の中で、一番喘ぎが強くなってくるのがアナルだった。今まで、二人の行為の中で、試したことのない部分だった。
「汚いかもよ」有紀は喘ぎながらも、羞恥を口にした。
「全然、何のニオイもしないよ」
私は、会話をする気はなかった。有紀の身体を貪りつくす決意をしていた。
自分の性感が、完全復帰していない以上、堪能すべきは有紀の身体だった。
私には、愛する男にフェラチオを施して、射精の満足の声を聞く趣味はなかった。
ただ、今現在、有紀に施している行為によって、有紀が羞恥交じりでありながら、強く性感に浸っている姿に、勇気を得ていた。
そして、その勇気が、意地悪なサディズムをも導き出していた。
私は、有紀自身の愛液と私の唾液で充分に潤んでいたおちょぼ口のようなアナルに、中指を当てた。
「あっ!駄目だよ。中は駄目だよ、汚いんだから」有紀は、呪文のように、その言葉を口にした。
しかし、身体は逃げるどころか、挿入を手助けするような角度をつくろうとしていた。
私は、自分でも初めての行為に、ドキドキしながら、それでも、侵入をやめなかった。
思った以上に素直に、有紀のアナルは私の指を受入れた。バギナに入れた時よりも卑猥だった。
その卑猥と感じる行為を、自分がしていると云う気持ちの昂ぶりが、更に私を積極的にしていた。
「痛い時は行ってよ」私は、そう言いながら、中指を最後まで、有紀のアナルに埋め込んだ。
「痛い?」
「ううん、痛くない。姉さんの指先が、何だか、凄く気持ちの良いところに当たってる」
「そう、此処かな?」
「そう、あああ、そこそこ、そこよ」
私は行為に夢中になった。自分の指で有紀が、バギナ以外で、こんなに歓ぶことを発見して、情熱を籠めて行為に耽った。
考えたわけではないが、宙に浮いていた親指を、有紀の本来入るべきバギナの中に、深く差し入れた。そして、有紀に絶頂が訪れた。
「こんなことってあるんだね。大大、大満足だよ、姉さん」
滝沢ゆきは、妖艶な視線に、炎を燃やして、私をみつめた。
「退院したら、私にも、同じことしてね」私は、唇を重ねながら、有紀に囁いた。
有紀は、重ねられた唇から舌を絡めながら、言葉にはせずに、何度となく肯いた。
つづく
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