第23章―2
叫びたくても叫べないほどに、私の肉体はオーガズムの領域を超えて存在していた。
圭の怒張は冷静沈着に、私の様子を観察しながら、攻めと一瞬の一服を、機械のように繰り出していた。切れ切れに口から洩れる声音は、自分でも判るくらい涙声になっていた。
「姉さんゴメン、姉さんゴメン…」圭は呪文のように、その言葉をつぶやいていた。なにが、どのようにゴメンなのか判らなかったが、贖罪のようなものから逃れよとする呪文のように聞こえたが、私は、その意味を考えるほどの余裕はなかった。
バギナへの攻めが一段落し、束の間の休息が与えられたが、水入りのセックスは許されず、一呼吸の次に、膣奥への攻めが始まった。
どんなことになるのか、私にも経験はなかった。バギナへの攻め、或は膣奥への攻め、この二つの攻めを一連の流れの中で行うセックスは初めてだった。
膣内のオーガズムで頂点を何度となく登りつめた私のバギナから、陰唇やクリトリスの存在は取り払われ、無に等しかった。そのような官能の世界に陥ると、次に存在感を増すのは、膣の奥のようだった。
そこには、子宮頚が待ち受けている筈だった。明らかに、圭の亀頭は、その入り口に入り込もうとしていた。
僅かに、重みのある、鈍感な痛みのようなものを感じたが、未知との遭遇への期待の方が勝っていた。
圭の怒張した鋼鉄の陰茎は、その入り口に侵入するだけの長さが残されていた。
もしかすると、本当に子宮頚の入り口をこじ開けて侵入してきそうだった。私は、子宮頸がんの検査の時に、産婦人科医が無慈悲な手つきで、棒状のブラシをねじ入れ一回転させる暴力を危惧したが、圭の亀頭は、ブラシ状の突起もなく、ねじ回る心配もない。さっきまでの鈍痛のようなものも、何度か侵入を試されるうちに消えていた。
両膝を抱えられた私は覚悟した。圭の亀頭が子宮頚に入ってくる。圭は、初体験を味わわせる一気呵成な動きはせずに、ジワジワと子宮頚に迫った。
「あっ、あっ、あっ」私は思わず声を発した。
痛いかどうか判断がつかない状況に、自分を追い込んでおきたかった。声を出し、夢中になることで、圭の亀頭の侵入の恐怖から逃れようとしていた。
なにかが体の中の“堰”のようなものを乗り越えた感じがあったが、痛みはなかった。ただ、重苦しい鈍い感覚は、危険領域をペニスが侵略してきたような威圧を感じた。
「痛い?」圭は強く私の尻の部分を押さえこんで、優しく制圧的に尋ねてきた。
「大丈夫、そのまま続けてみて」私は、怖い感覚を抱えたまま、それでも行為を頓挫させるつもりはなかった。
「姉さん、行くよ。駄目だったら言ってね」圭の両手に力がこもった。
私は、その先を越えると、どのようなことが起きるのか、未知への恐怖と期待が綯交ぜ(ないまぜ)な状況で、お腹に力が入った。
まだ、圭の陰茎には余裕が残されているようだったが、私の息み(いきみ)が子宮頚を強靭なものに変化させているのか、一旦腰を緩めた。
つづく
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