第18章-1
強めのシャワーが全身に英気を与えていた。髪は寝る前に洗うことにして、ボディーソープでくまなく全身を磨き込んだ。そして、シャワーのノズルを乳房やバギナに当てながら、かすかな気持ちよさに浸る惚けた自分の表情に見とれていた。
中ぶりの乳房に弛みはなかった。肌は、まだ水を弾き飛ばす能力を失っていない。お尻も垂れている感じはない。まだまだ、イケそうな自分の身体に満足した私は、大好きなオレンジのバスローブに身体を包ませて、バスルームを出た。
メール受信を知らせるブルーのサインが、私をせかすように点滅していた。私は、圭からのメールだろうと思いながら、先ずは喉を潤す方が先決だと思った。
一々一階に降りて飲み物を取りに行く労力を省くために買った小型冷蔵庫から、ミネラルウォーターを取り出した。
私が先週詰め込んだ本数が劇的に減っていた。おそらく、犯人は圭ではなく、有紀なのは想像がついた。有紀は、そういう女なのだ。来週は、アイツに冷蔵庫一杯にミネラルウォーターを補充する苦役を与えてやろうと思った。
意外にも、メールは美絵さんからだった。少々、動揺しながらメールを開いた。
『ご無沙汰しています。今日、私は迂闊にも、お母様に、バカなことを話してしまいました。何ひとつ根拠がないのに、迂闊でした。ただ、お母様に心労をかけただけで、何ら意味のない、お電話をしてしまったのです。お母様、怒っていらっしゃらなかったでしょうか?』
まったくの馬鹿ではないことに、チョッとホッとしながらも、ここは考えどころだと思った。当然、圭に確認したいところだったが、圭の携帯は留守録のままだった。
彼らの仕事は、高報酬かもしれないが、24時間が勤務のようなもの、極度の緊張にある人間に執拗に電話をする気にもなれなかった。
しかし、部外者のようで、極めて当事者である私が、事実を知っておくことは大切だと思った。圭には、事後に確認しても済むことで、とぼけながら美絵さんに事情を尋ねても、何ら不思議ではない、姉の地位を利用することにした。
『 なんだか、とても母は気にしているようよ。悪意とかじゃなく、単に心配性なだけだけど、気にはしています。私に、色々質問してこられても、何ひとつ返事も出来ないしね。圭に、尋ねることも考えましたが、美絵さんの悩みが、美絵さん以外の人から聞かされると云うのも、彼が複雑な気分になりそうなのでやめておきます。ところで、美絵さんの悩みと云うか、気づいたことって、具体的なものなの? 』
私は、このメールの流れで、美絵さんの口から、圭への疑念が何なのか、知っておくことは、家族としても重要だし、まさに私にとっても重要なのだと確信していた。出来たら、いざこざになる前に、二人を修復のルートに乗せることが、全員の平和に繋がると確信した。
『母曰く、きっと言えない方の悩みかもね、と一人で納得していたようですけど、多分、明日は忘れているから心配しないで。ところで、多分、美絵さんの女の勘の問題だと思いますけど、姉としても、判る範囲なら答えられるかもよ。話す気になったら、真面目に聞き役になりますけど…』
圭の下半身のコンサルの後で、今度は美絵さんの勘のコンサル。何という立場に、自分はいるのだろうと思いながら、ままよと!と送信を押した。
『今夜でも良いのですけど、お会いしていただけないでしょうか?』速攻で美絵さんから、返信が来た。
私は、とんでもなく危険な綱渡りをしている自分がいるのを感じたが、美絵さんにメールを送った以上、腹を括るしかなかった。
誰が考えても、美絵さんの悩みに応じる婚約者の姉としての心境だけで、振る舞い会うことが出来るかどうか、自問自答した。そして、私は、それが出来ると、強く思った。
そして、私は府中のファミレスを指定した。美絵さんも知っていると云うことなので、話は早かった。
つづく
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