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終着駅10-2 …さあ、同じ吸うなら、私の乳首を吸いなさい…

第10章―2

 「私にも一本もらえるかな」私はさりげなくカミングアウトした。

 「いいよ」圭が怪訝な顔つきのまま、マルボロの箱から一本引き出し、私の指の近くに差し出した。私がタバコを咥えると、すかさずホストのように、マッチで火をつけた。

 「涼ねえさん、タバコ吸うンだ」圭は、美味しそうに唇から流れるように出てくる紫煙を見つめながらつぶやいた。

 「時々ね。今日は、圭の知らない私をたくさん見せているね。人間って、判らない部分、知らない一面ってたくさんあるのよ。時には、自分でも知らなかった自分がいたりもするしね…」

 「本当だ。俺も、今日初めて大人の男になれたような気分だからね。この一つの行為で、見ている世界が変わるような、妙な気分だよ…。そして、大好きな姉さんが、いっそう好きになって、身近になって、どうしたら良いのか、混乱している…」

 「ずっと混乱して、生きていなよ。わかったなんて、心底思わないことよ。常に、自分を信じているけど、どこかで、必ず疑いなさい」私は、タバコを揉み消した。

 「なんだか、哲学みたいだね」圭がまたタバコに手を伸ばした。

 「タバコはオシマイ。さあ、同じ吸うなら、私の乳首を吸いなさい」私は半ば冗談で、女王様気取りで、圭に命じた。

 今度こそ、カウンセリングに徹しなければいけないと思いながら、多分、途中で挫折してしまう自分を想像した。

 でも、この不確かな関係では、完璧はない。紆余曲折の結果、圭が女の身体に慣れれば、目的は達成できる。美絵さんと云う女の身体を、彼女も歓ぶように扱えれば、カウンセリングの目的は達成する。

その間に、多少の余禄があっても良いじゃないの。私は身勝手だが、ウィンウィンな行為に没頭してやれ、と開き直った。

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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