2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

終着駅75 彼女さ、誰かに脅迫されていたんじゃないの


第75章

流石の有紀も沈鬱な表情を浮かべて、ラブチエアーに座っていた。今夜はワインを飲む気分じゃないねと言って、濃い目に淹れた珈琲を飲んでいた。

「姉さん聞いてなかったのか。さっき、圭と電話で話したけど、服毒自殺だったらしいわ」

「そう。圭は大丈夫だった?」

「そうね、泣きじゃくってはいなかったけど、元気はなかったね。当たり前かもしれないけど…」

「睡眠薬飲んで、その上で青酸カリの服毒、念入りに自殺しようとしたのね」

「あまり詳しくは聞かなかったけど、そうしたらしいよ。たしかに、絶対に失敗したくないって気持ちが現れているよね。美絵さんからは、そんな凄味のある殺気なんて感じなかったけど、分らないものよね」

「そう、まったく感じなかったわ。気弱なくらいに感じる女性だったのに、余程のことがあったのかもね」

「私たちと圭との関係を知ったのかしら?」

「どうなんだろう。仮に、私たちが絡む問題であれば、何らかのアクションとか、フェイントくらい飛んできても良いはずだけど、特別思い当たることもなかったし…」

「そうよね、何年か前に、姉さんに奇妙な手紙が舞い込んだ事と、今回の美絵さんの件と結びつけるのも変だしね」

「まったく関係ないかどうか別にしても、直に美絵さんの自殺と関連づけるのも飛躍だよね」

「彼女さ、誰かに脅迫されていたんじゃないのかな?」

「強迫?」

「そう、彼女自身の過ちで、脅迫されていた」

「美絵さん自身の過ちって、彼女が浮気をしていたとか?」

「そう。美絵さんが、何らかの事情で、浮気に走った。その結果、のっぴきならない事情、いや事件のようなものが起きて、切羽詰まった…」

有紀は遠くを見つめる目で呟くように語った。シナリオライターである有紀の想像が、目まぐるしく様々なシチュエーションを展開させているだろうことは、容易に推測できた。

「美絵さんのような恵まれた主婦が悩むようになるのは、自分の病気とか、子供の育児とか、旦那さんの浮気や暴力だよね」

「そのどれもが当て嵌まらないわけだから、その事情は、推理しかないわよね。彼女が、ふらりと誘われて薬に手を出してしまったとか…。でも、そんなことなら、現場の確認作業の中でも、ある程度判ることじゃないの?」

「覚せい剤とかに手を出していたってこと?」

「そう。でもその線は消えているのだと思う。そうなると、やはり残るのは男よね…」
つづく

いつもクリックありがとうございます!

FC2 Blog Ranking
アダルトブログランキングへ

P1010143jj.jpg


プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

最新記事
rankig
応援してくださいね!

FC2 Blog Ranking

目次

cover-1.jpg

人妻のからだ 』(中編)

終着駅 』(長編連載中)

リンク

最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
12 | 2015/01 | 02
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

アルバム
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR