2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

終着駅67-1 


第67章-1

「それは奇怪な話だよね。流石の姉さんも参ったわけだね」有紀は小籠包を一口で口に運び、フウフウいいながらワインを間に挟み、瞬く間に三個平らげた。残った二個に目を走らせながら、酢豚に箸を伸ばした。

「ここの小籠包いけるよね。イイよ全部食べちゃって。昔から、アンタのその癖直らないね」私は、笑いながら、空になったワイングラスに注ぎ足した。

「収入が増えても、私の食欲、いや、食い意地は全然変わらない。そして、性欲も同じくらいに変わらない。でもさ、そっちのほうは完璧にご無沙汰。今夜は欲求不満、涼ねえさんに慰めて貰おうかと思ってる」有紀が色っぽく笑った。

「私で、その火が消せるのなら、お手伝いさせていただきますよ」私も怖気ることなく答えた。

「姉さんって、なんでも水とり紙みたいに受け入れちゃうよね。そういう強さって、どこから生まれたのかしら」

「有紀がナイーブ過ぎるだけよ。それでて、私を奇妙な世界にまで引き入れたのは貴女なんだから」

「それはそうだけど。でもさ、禁断の果実を食べたのは、姉さんの方が先なんだから・・・・・・」

「あれはさ、圭にまんまと罠にかけられたようなもので、不可抗力のようなものよ。まあ、私の不注意というか、親切心が仇になったのよね」

「それにしても、鬼塚って名前が一致したからといって、圭が、その差出人不明の手紙の犯人だと断定するのもな~・・・・・・」

「それが一番だけど、偶然にしては、鬼塚はないでしょう?」

「たしかに、佐藤とか、鈴木なら、偶然で済むんだけど、鬼塚じゃね」

「そうなのよ。欲目なしで推理する限り、圭の仕業であるわけよ」

「そうなると、アイツは何の目的があって、こんな意味不明な手紙を姉さんに書いたわけ?」

「それが想像つかないから、有紀の知恵を借りたいわけよ。アンタは奇怪な世界のことでも、シナリオの世界で書くんだから、推理するの得意じゃないのかなって、思ったわけよ」

「う~ん、その辺は違うんだと思う。シナリオの場合、はじめっから、リアルとは違う目標に向かって書き出すから。圭の問題はリアルの中に、ポツンと奇妙が不自然に入り込んでいるんだから、観客に解釈不可能な問題を投げかけるようなもの、シナリオでもあり得ないことよ」

「そうなのか、じゃあ無理だよね」

二人は、堂々巡りする話題に疲労感が支配的になり、互いに口数が少なくなっていった。圭が犯人だとして、その対応まで話せる段階には至りそうもなかった。

「お風呂入ろうか?」私は、有紀が必死で眠気と戦っている状況を察した。バスルームで、どのような行為が二人に待ち受けているのかわからなかったが、有紀に任せて、それに反応していけば良いだけだった。

有紀の指先が、マッサージ師のような動きで、私のボディーソープをまんべんなく塗り込んだ身体に、色気を排除したような真面目な感じで動き回っていた。

出来たら、バスタブの縁に座るとか、横になって受けたいようなマッサージだったが、有紀は、私に立位を求めていた。
つづく

苦戦中です ご支援ください!

FC2 Blog Ranking
アダルトブログランキングへ

P1010879j.jpg




プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

最新記事
rankig
応援してくださいね!

FC2 Blog Ranking

目次

cover-1.jpg

人妻のからだ 』(中編)

終着駅 』(長編連載中)

リンク

最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
12 | 2015/01 | 02
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

アルバム
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR