第85章映像が流れだした。私は、知らないうちに肩に力が入っていた。誰かの手でも握っていたい気分だったが、まさか、圭の手を握るほど無神経でもなかった。
9,8,7…1と気を持たせたカウントダウンが腹立たしかった。そして、前触れもなく、白いシーツで上半身を覆った女の下半身が映し出された。徐々にズームアップされた映像は、その女のバギナに向かって、レンズが突進しているような迫力があった。
上半身に掛けられている白いシーツが盛り上がり、顔も隠れている下半身、いや、バギナの全貌の映像が、静止画のように執拗に映し出されていた。
私は、その映像から、その女性が誰なのか見極めることは出来なかった。圭には判別できるのかどうか、聞いてみたい衝動もあったが、唾を飲み込み無言で、画面に見入った。
静止画のように映し出された映像だが、シーツの腹部辺りに、僅かな動きが確認できた。粘着力の強い映像は、一瞬黒の画面で切り替わりを暗示し、新たなカメラアングルの映像が画面一杯に広がった。
左足の指に執着した映像が流れた。ただ、その足の指の動きは、寝ている時や平常時の指の動きではなかった。何度となく、間欠的に反る動きは、その足の持ち主が、快感を憶えている時に見せる動きだった。
男の身体が映像に入っていないので、何度かオーガズムを感じた後に、嬲られることで目覚めた快感を表現している、足の指の動きだった。
おそらく、この女の人は、乳首を弄ばれているか、或いは、直にバギナを弄ばれているなど、充分なオーガズムを得た後の愛撫で、更なる快感を得ている女の動きだった。
私は、そこまでたどり着いて初めて、見ている動画が無声音なことに気づいた。声のない映像が、逆にこんなに、見ている者の想像を掻き立てるとは思いもよらなかったが、酷く神秘的で、猥褻でもあった。
助平になった女体を弄り回せるのは、その女体にオーガズムを与えた人間の特権であるかのように、執拗に、その女体に向かって、特権を得た人間は、サディスティックと思えるほど、長時間に亘って、女体に追い打ちを掛けているように見えた。
また、画面が黒くなり、次のシーンが現れた。再び、ズームインしたカメラが、キラキラと輝きを伴って滑っているバギナを映し出した。
女体の下腹部が大きく波を打っていた。先ほどよりもシーツが捲られ、下腹部もカメラに晒されていた。
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