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終着駅400


第400章

櫻井先生の指が、私の子宮口(子宮頚管)の柔軟性を触診していた。当然だが、櫻井先生の顔は見えない。

「痛みますか?」

「いえ、特には。幾分、重苦しい感じはありますけど……」

「不思議ですね。貴女の願いが通じるのかな、想像以上に子宮口が柔軟になっていますね。子宮頚の長さも、かなり短くなっています。数週間後には、生まれてもおかしくない子宮の状況です。無論、一過性の現象と云う事もありますけどね……」

櫻井先生は、想像以上に色んな話をしながら、私のバギナの奥を、指先でぐりぐりと揉むように指を動かしていた。

私は、その鈍痛の中から、幾ばくかの快感を憶えた。

あり得ないことなのだろうが、多分、その感触は、鈍痛と同じ比率で訪れる快感だった。

産婦人科医に触診されながら、快感を得ることなどあり得ないだろうが、その感触は、何度も頭で否定したが、、快感に属すものだった。

診察が終わり、私は、身支度を整えて、櫻井先生が顔を出すのを待つていた。リクライニングの患者用の椅子は、驚くほど快適だった。今にも、男に抱かれた後の満足な吐息を吐きながら、眠りにつけるような長閑な時間が流れていた。

圭の笑顔があった。竹村の指先と、社長の指先が、何故か交互に、私のバギナの奥を愛撫していた。それを笑顔で見ていた圭が、突然、竹村と社長を押しのけて、怒張を差し入れてきた。

私は、一瞬のまどろみの中で、とんでもなく卑猥な夢を見ていた。

どういうことなのか、自分で戸惑い、その夢はなんだったのか、考える気力もなく、次の眠りの波が押し寄せてきた。

人の気配で、私は目覚めた。一瞬なのだろうが、私は、いま、この椅子の中で、二度も寝ていた。

そして、初めの眠りの中で、三人の男にいたぶられていた。そして、それが、酷く心地よかった。

「明日から、はじめましょう」櫻井の声を聞き逃した。

「いや、もう少し後から、と思っていましたが、今日の診察の状況から判断すると、促進剤の効果が期待できます。
おそらく、切迫早産の傾向があったようですから、その流れから来ているのでしょうが、今回に限り、それは良い傾向だったと思うんですね。
現在の子宮の状況なら、自然分娩の可能性も大いにあります。絶対的ではありませんけど、チャレンジする価値はあります」櫻井先生が続けて話した。

「明日ですね。入院出来るんでしょうか?」

「いま、部屋の確認をしましたが、また特別室ですが、空いています。数日後には、普通の個室が空くので押さえておきました。さっき、村井先生の方にも、話は通してあります」

「はい、わかりました。明日は何時くらいに入院したらいいのでしょう?」

「いつでも大丈夫です。現時点で既に空室ですから、受付の方に診察券を出して貰えれば、入院の手続きから、病室に案内まで、案内出来るように手配しておきます」

ドタバタとした感じで、明日の入院が決定していた。

何か、色んなことをし忘れているようだったが、もう、何をするのも面倒だった。

この流れに、ただただ乗っていたい、私は思考を停止させて、運命と云う流れに身を任せてしまいたい気持ちになっていた。

それでいいのだと思った。

運が良ければ、すべてが順調に推移するだろうし、運が悪い時は、それも運命だと受け入れる気になっていた。

一生の中で、自覚的に、運命に自分を委ねるのは初めてだなと思いながら、長い病院の白い廊下を歩いていた。
つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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