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終着駅7-1

第7章-1

 「中に出しちゃったけど、大丈夫かな」圭が我に返ったように、尋ねた。
 「多分、安全な日だと思うよ」私はとっさに嘘をついた。圭に、常々ピルを愛用している女だと知られたくなかった。出来ることなら、神聖な姉のバギナを君は経験したのだと思わせておきたかったのかもしれない。

 弟の圭と思いもよらない関係になってしまった事への不安は、特になかった。罪悪感も、まったく感じなかった。どこか、人生の何処かで、この行為への大罪への罰が振り下ろされるのかもしれないが、それほど天とか神とかを信じているわけでもないので、気にもならなかった。
運命はあるだろうけど、それはあくまで運命であって、過去の罪だとか、前世だとか、そう云うものへの意識自体がなかった。肉体が滅べば、すべてが無になる、ただそれだけだと思っていた。

 「今になって言うのも変だけど、姉さんと俺の間に子供出来たら、どんな子が生まれるンだろう」
 「アンタさ、その前にエライ騒動になると思わないの」
 「いや、思うさ。でも、そのことの心配よりも、どんな子が生まれるかって思う方が興味深いンだよね」
 「たしかに、現実的な心配を除けば、興味深いけどさ。でも、やっぱり現実的な心配を片付ける方が先じゃないの」私は、あり得ない心配を通り越した、圭の子供っぽさに呆れたが、圭の興味に同調する気持ちも幾分あった。
 「そうだね、不用意な発言だった。もし、仮に妊娠してしまったら、どうすれば良い」
 「決まってるでしょう。堕すのよ」
 「中絶ってことか~。でもあれって、身体にダメージあるわけだよね。結婚前の姉さんに傷がつく」
 「何言ってんのよ。今さっき、私の中で果てちゃったのは、アンタだよ」私は笑いながら、圭の頭を小突いた。

 「すみません、そのことを確認すべきでした。でも、姉さんと繋がることが出来るって思っただけで、もう、考える能力っていうのか、気力がなくなっちゃって、もう夢中だったんだ」圭は本心を露呈するように、正直に自分の感情を表した。
 「まさかさ、圭は私と関係を持ちたくて、絵美さんとの話、でっち上げたンじゃないよね」
 「嘘じゃないよ。まさか、俺だって、こんな状況になるなんて、想像もしていなかったよ。勿論、姉さんの太腿とか思い出して、オナニーとかしたのは事実だし、女性を初めて意識したのも姉さんだから…」
 「なによ、潜在的には、やりたいと思っていたのね」私は少し意地悪に圭を責めたてた。
つづく

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プロフィール

鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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