第6章ますます、敦美という女のすべてが尋常ではないことを痛感した。
・・・この女と一緒にいるところを、見られるのは拙い・・・
生まれつきなのか、精神病か、薬だろうか。
メールしている最中にも異常になった。先ほどの電話の話し方も変だった。今はそれ以上に変になっている。
十中八九、敦美の症状は覚せい剤常用者の症状に思えた。
「1万円だよ」俺はぶっきらぼうに、声をかけた。
敦美は ”403よ、よろしく” と大きな声で小さく開いた窓口に声をかけた。
エレベーターに乗り込むと、案の定、敦美は抱きついて、唇を押しつけてきた。
キスも避けたかったが、敦美という女を静かにさせるために、その官能的唇に、応じた。
唾液が混じらないことを祈ったが、望むべきもなかった。
403のドアを開けた瞬間から、俺はヤクザな男を演じていた。
毒を制する手段として毒を選んだ。
「脱げよ」敦美の身体を乱暴にベッドに投げつけると命じた。
「早く脱げってんだよ!バカヤロー殴られたいのか!」
ベッドの上で怠慢な動きをしている女にヤクザな声を荒げた。
「優しくしてよ」
「うるさい、言われたように脱ぐんだよ。素っ裸になるんだ」
さらにグズグズ動きの悪い敦美に俺は手を出した。
「ほらほら、脱ぐんだよ」
俺の手は容赦なく敦美の服を剥ぎ取った。
初夏の服装は、手で簡単に毟り取られ、最後に残されたパンティも何の躊躇いもなく取り払われた。
陰毛が濃かった。ヒップの張りとウェストのくびれは、男心を充分に誘った。
「入れて欲しいんだな、じゃあ洗って来い。汚い穴を洗ってくるんだ。いいか、シッカリ洗えよ、臭かったら、ぶん殴るぞ!」
敦美をベッドから無理矢理立たせ、後から尻を思い切り叩きつけた。
敦美が走るようにバスルームに消えていった。
状況設定は出来上がった。あとは、女につけいる隙を与えないように、最後まで、ヤクザ風を演じきることだった。
つづく