第9章 俺の愛撫に熱が入ろうと入るまいと、無関係に、女は快感を享受していた。
馬鹿馬鹿しい、もう、やめようか?続けるとして、これ以上どうしようというのだ? 指からだって、性病に罹患するリスクはあった。
このような生活をしている女に感染症が無い方が不思議なくらいだろう。
必ず性病の一つや二つ持っている。俺は敦美のヴァギナから前触れもなく指を抜き取った。
「駄目、抜かないで、どうして、どうして抜くの~~っ!」敦美がテーブルから身を起すと、抱きついてきた。
俺は怒りを感じた。
敦美にではなく、敦美に薬を与えた誰かに怒りを感じていた。
抱きつく敦美を突き放し、仰向けになった敦美の頬を平手で叩いた。
「痛い!」敦美は叫んだが、俺は構わずたたき続けた。
「おい、誰がお前を薬漬けにしたんだ。亭主か、不倫の相手か」
「なに言ってンの。薬なんか知らない」
「ふざけるな!お前はシャブ中だ」
「えっ!シャブ中? 嘘!覚せい剤なんてしてない。絶対にしてない!」
「馬鹿ヤロウ、お前はシャブ中なんだよ」
「嘘、嘘だ!薬なんかしてないよ」敦美が突然大声で泣き出した。
変だ、俺はうろたえた。
しかし、症状に間違いはなかった、敦美は覚せい剤中毒者としての症状を持っていた。
「注射なんて、何年も打ったことないし、病院にも行ってないくらいなんだから」
「サプリメントのつもりで、何かを飲んでるんだろう?」
「まさか・・・」敦美が多少正気になって、呟いた。
「どうした、思い出したか」
俺は敦美が薬だと本当に知らずに手を出していた可能性もあると思った。
「ヤセ薬を飲み出したの、アイツが買ってくれた」
「アイツって、旦那か」
「うん。効き過ぎるから海外でしか手に入らない貴重品だって」
「それだ、何時から飲み出した」
「何ヶ月か前から、ホントよく効くの、10キロも痩せたわ」
「馬鹿、そいつにアンフェタミンが入ってるんだよ。MDMAを溶かしてるのかもしれない」
「何それ」敦美は不安な目を向けてきた。
つづく
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