第76章敦美は、オスになって、メスのペニスを味わうように動いた。あきらかに、敦美の気持は倒錯していた。
オスのペニスを肛門に突き刺されるよりは官能的だった。俺のペニスが敦美のペニスにでも成り変ったような感覚だった。
勃起を維持しているのも、敦美の試みのようであった。緩みが生じると、ヴァギナが、収縮を伴って鼓舞し、緩みの改善を試みていた。
俺にペニスのつけ根の部分に、敦美のものでも、俺のものでもない穴が存在し、俺の勃起のつけ根を突き刺しているような感じさえした。
決して敦美は、メスのような態度で、いま現在の交わりの中から、メスの快感を得ようとはしていなかった。
在るとも思えない、俺の腹部にあるヴァギナに向かって、俺のペニスのつけ根を突き刺して、俺でも敦美でもない、他の誰かのヴァギナを責めているような、不思議な時間だった。
敦美に乗りうつった俺のペニスは、射精感を失い、営々の勃起得たような存在になっていた。
女の召使になると云うのは、こう云う状況なのだろうか、俺は戸惑った。しかし、賽は投げられたのだ。もう後戻りは出来ない。
俺の体内に誰のものでもないヴァギナが出来た瞬間だった。おぞましい気分と、メスの快感が得られるかもしれない歓びが交錯した。
この歳で、女の召使になるのは、倒錯的だと思った。若い頃、“ヒモ”になって暮らすことに魅力を感じたが、それとは大きく意味が違っていた。
しかし、現実的には、有利な取引だった。家に入れる五十万が保証されるのだ。苦痛な仕事を引き受けることから解放される。なんと夢のような現実が転がりこんできたのだが、なぜか、心から歓べなかった。
まして、女の肉体までがついてくるのだから、文句のつけようがなかった。それなのに、心は必ずしも晴れやかではなかった。
敦美の軍門に屈して、奴隷になると云うわけではないのだから、屈辱的立場になるわけでもなかった。
逆に感謝されながら、敦美の仕事を手伝うに過ぎないのだから、屈辱である筈もない。
あまりにも濡れ手で粟のような出来事に、面食らっているのかもしれなかった。
長年の習性で、甘い蜜には毒があると云う注意深さが、仇になって、嬉しい出来事まで、疑って掛かるようになっているのかもしれない。
敦美の表情と動きが変った。
いまにも出てしまいそうな射精感を必死でこらえているようだった。時折腰を引き、射精感に堪えているのと同じ動きがあった。
その動きを感じた俺の体内にも、変化が現れた。
勃起のつけ根が。体内に喰い込んでしまう感覚だ。どんな声を出せば良いのか躊躇った。
女のようにむせび泣けば良いのか、それとも心おきない嬌声を発すればいいのだろうか。俺は迷った。
敦美のたわわであるが芯のある乳房が大きく揺れていたが、その動きは、筋肉隆々の胸板が踊っているようにも見えた。
「イク、いくからね!」
敦美の尻の肉と骨が、俺の腰に打ちつけられた。鈍い肉がぶつかり合う音と、敦美の唸るような声が響いた。
俺の腰の上で、敦美の肉体が男のように踊り、俺のヴァギナに突き刺さってきた。
「あっあっあっ!」俺は思わず口走っていた。
当然、俺が射精しているのだが、敦美の精液が、俺の股間に注ぎ込まれる感覚に襲われた。
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