第67章Oホテルの部屋に入ると、敦美が抱きついてきた。受けとめてやる以外、それ以上の手が浮かばなかった。
「抱いて!」
敦美は、つい先ほど、ほかの女のヴァギナに思い切り精液を放出した男の身体だと云う事実を知らないのだから、応じるしかなかった。
抱いていくうちどうにかなるだろうと、俺は自分のスケベさに期待した。
夫が殺された事件の顛末を語る前に、自分を落ち着かせる為に、敦美は、セックスに没頭する手段を選んだに違いなかった。それであれば尚のこと、俺には敦美を歓ばせる義務があった。
敦美の服を剥ぎ取るのに苦労はなかった。
警察署から戻って、シャワーも浴びずにいたらしく、敦美の身体は汗ばんでいた。
「抱きしめてくれるだけで良いよ。まだ、シャワー浴びてないから……」敦美はつぶやくと、さらに腕に強く力をこめた。
「厳しく聞かれて疲れただろう。抱きしめててあげるから寝ても良いよ」
俺は柄にもなく優しい男になっていた。
抱きしめている女がひどく憐れに思えたし、警察が、どのように思っているか別にして、敦美が、彼女の夫を殺すはずがない前後の事情は、俺が一番知っていた。
確たる根拠はなかったが、敦美が夫を殺す動機がなかった。殺人を犯してきた人間の臭いがしなかった。
「大丈夫だよ。おまえが犯人じゃないことは、俺が一番知っている。おまえが殺されるのなら意味が分かるけど、逆なんだから、何も心配しなくていいよ」
それでも、警察の事情聴取が厳しかったのだろうか、敦美の身体は冷たく、わずかに震えていた。
「でも、アイツが殺された時間、昨夜の11時から翌日の1時位らしいけど、私、部屋に一人でいたから、アリバイがないの……」
「アリバイがないから犯人にされたら、この世の人間は、殆どが犯人にされちゃうから、気にしなくて良いんだよ」
「貴方がいたのは6時くらいまでだものね。泊まって貰えば良かった。そうしたら、貴方にアリバイ証明して貰えたのに……」
「もう二回くらいエッチしておけば良かったね」
「そうもいかないしね……」
敦美の身体が幾分和らいだ。その代りと言ってはなんだが、俺の身体に異変が起きていた。
「大きくなったの?」
「あぁ、チョッとね」
「チョッとじゃないようよ。つんつんあの辺を突いているわ」
「不謹慎だね。旦那さんが亡くなったのにさ」
「かもしれないけど、入れて欲しい。入れて、そのまま、じっとしてて欲しいの……」
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