第24章「縮んでいても、勃起係数の仮説を立てれば、だいたいの大きさは分かるわよ」
シャネル女は、何の前触れもなく、湯の中で漂う俺のペニスを摘まんだ。
「デカくなっちゃうよ」俺は、腰を引いた。
「大丈夫、たしかめるだけで、それ以上は前に進まないから」
「それだから、デカくなると、俺には不都合だよ」俺は、珍しく素直になった。
「男の人って、大きくなると、何かに入れたくなるもののようね」
「何でも良いから、入れたくなる訳ではないね。木の洞にまで入れたくはないよ」
「なら、どう云うものに入れたくなるわけ?」
「やはり、生身の洞に入れたくなるだろうね」
「正直でいいわ。貴方って、誰に対しても、こんなふうに素直に話すの?」
「そうだね。嘘をつくのは、後々面倒だから・・・・・・」
「ほら、言った通りの形状になって来てるわ」
たしかに、俺のペニスは、物理的な刺激に抗うつもりはなさそうだった。
しかし、シャネル女の洞に入れたいと云う欲望は湧かなかった。
爆弾女と別れたばかりと云う、警戒心が残っている面もあったが、このまま、女の洞を所望する浅ましさは、望むべき姿ではなかった。
物事が、単純に展開し過ぎる。
シャネル女の意図が判らなかった。
到底、男に不自由している風情は感じない。突如、性欲が沸き上がったとも思えない。
金に不自由している感じも、当然のようにないのだから、金が目的ではない。
まさか、女が俺に一目ぼれしたなどと、思える根拠はゼロなのだ。
どんな理由でも構わないが、初対面の未知の男と女が、身体を重ねるには、なんらかの根拠が欲しかった。
その根拠は、金のためであろうと、何かを探ろうとしているのだろうと、性欲を満たそうと思い立ったからにしても、根拠の前触れくらいは欲しかった。
シャネル女から、その根拠を探る何ものも見いだせないのだから、今日この場で、身体を重ねることは、ありえなかった。
「益々、洞に入れたいと、オ×ンチンが、自己主張しているけど、どうなさるの」
女の指使いは敬服に値した。
俺のペニスは完全に勃起していた。痛いほどに屹立したペニスを股間に抱えて、その気はないと言うのは、不正直にも思えた。
しかし、体と心が異なる時もある。それが、今だった。
つづく
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