第24章―2 「動けない」
「全然?」
「強く、弱くくらいなら出来そうだけど…」
「いいわ、試してみて」私は、圭の亀頭が頭をもぐり込ませても痛みのないことを知ると、がぜん好奇心が湧いてきた。
圭の圧接に強弱が生まれ、痛みのようなものと、内臓に達するような快感が交互に訪れた。
バギナのオーガズムとは全然違う。快感なのか、苦痛なのか、その区別は曖昧だった。ただ、違う部分で接合が試みられている、奇妙な感じは、バギナの存在を希薄なものにしていた。
膣のオーガズムで外性器の存在が希薄になり、子宮頚への行為で膣の存在が希薄になる。
私は、女の身体の欲深さを自覚した。常に、このような行為が繰り返された男と女は、どんな関係と表現すればいいのだろう。
おそらく、ポルチオ性感とウテルス性感の中間地点で亀頭を感じたようだが、一段と強烈なオーガズムを感じたとは言えなかった。ただ、圭との関係が、ただならぬ関係から、もう一歩進んだような、奇妙な充足感を憶えていた。
……これがポルチオと呼ばれる子宮口における快感に繋がるのだろう。でも、話によると、ポルチオやウテルス(子宮)で感じるためには、自然分娩する必要があると云う話だから、私は無資格者ってことなんだろう……
「圭、普通にセックスの方がイイみたい。チョッと休んで仕切り直ししよう」私の提案に圭は従った。子宮頚から亀頭が抜かれたとき、私は奇妙な快感に襲われた。
身体の奥から、それこそ潮のような液体が、ピュッと噴き出した感覚があった。
「あっ!何か噴き出した」
「やっぱり、噴き出たんだ。なんか、抜いた先の方に液体が掛かったように感じたよ。何だろう?」
「実際出ていると思うわ。チョッとタオル取って、押さえておいて」私は、圭からタオルを受け取り、股間にあてがった。
たしかに、愛液だけでは説明のつかない量のオリモノ風の粘液が、タオルに付着していた。
「圭、射精してないよね」
「ウン、まだだよ」圭は当然のように答えた。これが子宮頸管粘液と云うものかしら。無論、口には出さなかった。
その後、再度本格的コースを辿った二人は、満足の吐息を吐き、貪るように寝入った。
気がついた時、時間は既に午前1時に近かった。私は、このまま泊まると云う圭を残して、部屋を出た。
二人で、無断外泊は問題が多かった。間違っても、家族に、奇妙な疑問を持たれるわけにはいかなかった。特に、有紀の勘は蔑ろに出来ない。彼女の天性の勘に一目置く私は、くたくたのパジャマのようになった身体をタクシーのシートに横たえた。
運転手が、ミラー越に、ヤッテきたなこの女だと気づこうと、そんなことは、どうでもよかった。
つづく
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