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終着駅14-1


第14章-1

 子宮頚や子宮で起きる“エグい”性的快感は、私を完全に麻薬患者のように支配していた。そして、何度目かの悶絶状態を経て、私は“小さな死”といわれる失神を味わった。否、味わわされたのかもしれない。

 どのくらいの時間、失神から眠りについたのか分からなかったが、30分程度の桃源郷で、たしかに小さな死だった。そして、その死は、麻薬なんかと違い、爽快な目覚めを約束しているようだった。

 「圭、私居眠りしちゃったね」残り少ないミネラルウォーターを飲みながらつぶやいた。

 「スヤスヤで、気持ち良さそうだったよ。もう少し起きないようなら、声かけようかと思ってたよ。俺、腹減っちゃってさ」

 「あぁそうだね、そう言われたら、私もお腹空いてきてる」

 「なにか頼もうよ。出来たら、ピザが良いけど」

 「いいね、ピザとコーラが良いね」

 「衆議一決、電話するよ」圭が手早く受話器を握り、ピザを注文していた。私は、乱れ切った自分の下半身を、そのままにしておくことに躊躇いがあった。

 特に変形しているわけではないけど、このまま家路につくのは、誰かに、バギナの様子を盗み見られるようで怖かった。それに、子宮頸管からの粘液には、独特の臭いがあると云う知識も頭をかすめた。

 女の粘液は三種類あると言われている、膣壁からにじみ出る愛液と呼ばれるセックス用の比較的粘度の低い粘液、同じく性的興奮から滲み出るバルトリン腺粘液。そして、子宮頸管から排出される粘液があるらしい。こちらの粘液は粘度が高く、その上、時に強いにおいを発することがあるという。

 この臭いを抱えて家路にも就きたくないし、ピザを食べるのも気が引けた。もしかする、圭が、もう一度挑んでくる予感もあった。また、クンニリングスから始められたら、圭の性欲そのものが消えてしまうかもしれないし、臭っているかもと云う不安で、私の性欲も逃げてゆく可能性があった。

 「ピザくる間に、シャワー浴びても良いかな?」

 「うん、問題ないよ。俺も、このままじゃ拙いから、バスローブでも着ておくよ」姉と弟の、さりげない会話がそこにあったが、現実はトンデモナイことをしでかしている意識は二人の間で希薄だった。
つづく

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鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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