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第107章
言葉を投げつけた寿美は俺の上に跨っていた。
一心不乱に腰を揺すり上下させていたが、アクメに至ることを制御するように動いた。
オーガズムの頂点を敢えて遠ざけるような休息を、寿美は俺の身体の上でとっていた。
男が、セックスの最中に、射精寸前で、一時の休息を取る技は知っていたが、女の中にも、そのような技を駆使する寿美の忍耐に感服しながら、その行為に応じていた。
なぜ寿美が、そのような行為を注意深く行うのか、理由はわかるようで判らなかった。
俺が、寿美のヴァギナの襞の蠢きを、敏感に受け入れてしまえば、一瞬で果ててしまうわけで、寿美の努力は消えるものだった。
ただ寿美は、俺が、寿美の動きに呼応して、果てるような男ではないと信じ切って結合しているのが判った。
裏切ることも可能だったが、その裏切は、寿美との別れを暗示しているようにも思えた。
寿美とつき合うことに、どれほどの意味があるのか判らない。いつ別れても、特別の問題はなかった。ただ、女の行為に応じられなかった男を演じるのが嫌だった。
寿美と云う女は、そのことも計算の中に入れていたというか、そういうことの出来ない男だと見抜いているような感じだった。
寿美と云う女が判らなかった。
父親や兄弟の企みをばらして、どのような得があるのか不明だった。家族の犯罪を、抑止しようとしていると云う風でもなかった。
素直に聞いていれば、そういう家族の企みがあるから気をつけて、そのようにも受けとめられた。
しかし、今、俺の身体を跨いで結合しているヴァギナから、そのような優しさは微塵も感じることは出来なかった。
寿美の休息中のヴァギナは怒っていた。激怒しているわけではなく、冷やかに怒りを蓄えているだけだが、突き飛ばして逃げ出せない、氷のような冷たい怒りだった。
「よく我慢してたわね。やっぱり、私が好きになったのは間違いじゃなかったわ。最後だから、もう少しつき合ってね」
寿美は、一旦腰を引き、俺の身体から離れた。そして、僅かな休息を挟んで挑んできた。
今度は休まなかった。
寿美は叫びながら腰を思いっ切り俺に打ち当てた。何処が、どのように当たっているのか判らなかったが、キリキリと引き締まってしまった寿美の膣道の中で、俺の勃起は悲鳴を上げていた。
勃起が膣道を攻めているわけではなく、膣道が、勃起の亀頭を攻めていた。濡れているような濡れていないような寿美の膣から悲鳴のような音が聞こえた。
俺は、亀頭が裂けるような感覚で、寿美の膣道の緊張に堪えた。相当の痛みがあったが耐えた。
ぐいっと寿美の腰が俺の細い腰を押さえつけ、オーガズムを迎える、何時もの寿美のヴァギナの感覚が伝わってきた。
俺も、その動きに呼応して、亀頭の先端を、子宮頚部に突き刺す態勢で、女体の腰部を抑えつけた。
「イク!」寿美が叫びながら、更なるヴァギナの引き締めに興じた。
亀頭部から血がほとばしってしまったような感覚で、俺は射精した。
寿美の感覚がどのようなものだったのか、知るすべはなかったが、身体を動かす気配はなく、跨ったまま、余韻を愉しんでいるようだったが、どこかに、悟りに入った仏僧のような迫力が秘められていた。
つづく