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第105章
寿美の表情から、快楽は読み取ることが出来なかった。むしろ、苦痛に耐えている表情が顔に現れていた。
しかし、俺の勃起に突き刺され、子宮頚にめり込んでいる亀頭部に伝えてくる歓喜の蠢きは、確実に女体の歓びをあらわすのだった。
そして寿美は、三回、四回と子宮頚だけでなく、膣道の襞の一つ一つにまで、歓びの動きを、俺に知らせた。
「今日も、今までで最高だったわ」
寿美は、俺の精液を膣内に閉じ込め、一滴たりとも漏らさないとでもいわんばかりに腿を閉じ、時折、ひきつけを起こすように身もだえた。
「あのさ、兄たちの断片的な話を継ぎ合わせてみて判ったんだけど、もしかすると、私たち家族にとって、貴方は、最大の敵になっているみたいなのよね」
寿美はこともなげに、だるさを抱えた声で話した。
「へぇ、そうなのか。でも、俺は、特別なにもしていないけどね」
「そう、私たち家族の、勝手な言いぐさに過ぎないんだけど、理由はどうであっても、敵だと思い込んでいることが重要なんじゃないのかな。私は、そう思うの」
「仮に、俺が、君の家族の敵だとしてだよ、どんな根拠で、その勘違いが起きたのかな」
「それは簡単よ。貴方が、敦美のお金を握っているからよ」
「金を握る」
「そうよ、敦美は貴方に、資産のほとんどを預けているわけでしょう。だからよ」
「まぁ預かってはいるけど、俺の金じゃなく、敦美さんの金だからね」
「でも、動かしているのは貴方よね」
「なるほど、君たちの家族は、彼女のお金を狙っている、そういうことか」
「狙っていると言うのかな、分け前が欲しいってことかもね」
「分け前?」
「そう、敦美が手にした、彼女のお父さんの財産を作るために、父や兄たちが、相当協力したのだからってのが、理屈みたい」
「そう。でも、敦美さんが手にした資産は、ほとんど、彼女のお父さんの財産だからね。そのお金に、寿美さんの家族の持ち分があるような話は通用しないでしょう」
「そうよね。法的な権利など存在しないわ。だから、兄たちも、単純に金をよこせとは言えないので、5億円くらいの運用を任せろ、そんな感じの要求を突きつけようとしているみたいなの」
「まぁ、その話を突き詰めると、それって、ただの恐喝だよね」
「そういうことね。でも、敦美は、それを断る材料に、貴方との契約を持ちだして、兄たちの要求を撥ね退けているみたいなの」
「なるほど、そういうことなのか。彼女から、そんな話は聞かされていないけど、まぁ精々気をつけるようにするしかないだろうね」
俺は、恐喝まがいの話を、いつまでも聞いている気にはなれなった。
ベッドから抜け出し、缶ビールのプルトップをあけた。
つづく