第68章勃起を、ヴァギナに挿入したまま動かないでいるという行為は、意外に難しい。どうしても、わずかに勃起力が低下してゆくのが避けられなかった。
勃起を埋め込んだ時点では、ペニスの硬度は充分だったが、敦美の要望に応じている間に、わずかに勃起は緩んでいた。
俺は、敦美の要求に応える態勢の中で、動きを加えた。敦美の腿の肉と、俺の腿の肉がひしめき合うように変形して、その結合を深めた。
「貴方がお腹の中に入ってくるみたいだよ」
「痛い?」
「痛くはないけど、少し苦しいかも……」
「やめようか?」
「ううん、構わないから、深くしても良いよ……」
敦美の了解を得た俺の亀頭は、敦美の深部で僅かな空間を求めて動いた。僅かでも、勃起した亀頭は感度を鋭敏にした。
わずかな緩みは消え、勃起を挿し込んでいるリアルな感覚が甦ってきた。膣のつき当りに存在する子宮頚部と膣の境界線を行き来している映像が、俺の勃起を元気づけていた。
「繋がってるね……」敦美は快楽に耽っているはずなのに、父親に抱きしめられているような安堵の声で呟いていた。
「色んなこと聞かれて、辛かったんだね」
「最初の内は、犯人に違いない、そんな感じで、ひどく冷たく聞かれてたの。でも、途中から、感じが変ったわ。あれ、何だったのかな……」
「状況が判って、君に殺す動機がないことが判ったんじゃないのかな」
「財産のこととか、かしら?」
「多分、旦那よりも、君の方が金持ちだって理解したんだろう。そういう話はしたんだろう?」
「そうね、ご主人が生命保険に入っていたのか聞かれたわ」
「何て答えたの?」
「入っていない筈ですって答えたわ。親の残された遺産があるから、主人の生命保険なんて、考えたことありませんって」
「まさか、君、旦那が覚醒剤をどうとか、言わなかったよね?」
「言おうかなって思ったけど、疑われてからでも遅くないと思ってさ」
「そう、それは正解だったね。話がこじれるだけだからね」
「よかった、それで良かったのね?」
「あぁ、それで良かったんだよ。君はお利口さんだよ」
「だったら、もっと抱いて!」
勃起が知らず知らず緩んでいた。
俺は再び、敦美の膣のつき当りと子宮の入り口の段差を利用して、亀頭に刺激を与えた。
「ああ、当たってる……」
「気持ちいいのか?」
「うん、気持ちが良いのか、痛いのか、苦しいのか分らない。でも、寂しさが遠のくの。そういう感じ。説明しにくいんだよね……」
俺は、怪しんでいた自分の勃起を忘れ、敦美の趣くままに動き、子宮頚に、何度も亀頭を潜り込ませて、敦美に命じられるままに果てていた。
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