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結衣との関係 2-2 女の指の感触と妄想が


 第2章―2

 「お父さんは大丈夫でしたか」

 「えぇ昨年脳梗塞に罹って、半身不随なんです。漸く私も馴れてきましたけど…」

 「それは大変だ、寝たきり状態なの」

 「ほぼそんなものです、変に動かれるより面倒みやすいとも言えますけど…」

 女は、特にその状況が苦痛だと思っている節もなかった。

 俺の頭の中には、様々な疑問が湧きでていた。しかし、聞き出したら切りのないほどの事情が女にあるであろうことは察しられた。また、それを聞くことで、何もしてやれない筈だし、火中の栗を拾う破目にもなりかねなかった。気の利かない男と思われている方が気は楽だった。

 「それじゃ貴女も忙しいですね。お陰で汗もひいたようだから退散しないとね」俺は軽くリビングのソファーから立ちあがった。

 「駄目よ、シャツが全然乾いていないわ」女は突然俺の背中のシャツの乾き具合をたしかめるように、背中に手のひらを当てた。女の指の感触と妄想が混じり合い、身勝手な性的接触を感じた。

 「完全に乾くのを待っていたら、夜中になるよ」俺は笑いながらふり返った。

 「そうだ、シャワー浴びてください。父のオムツと一緒にシャツ買ってきましたから、着て頂かないと」女は半ば強制的にシャワーを浴びさせようとしていた。

 女は背中に再接近、追い立てるように、俺をバスルームの前まで誘導してしまった。

 ……どうも奇妙な按配になってきた。シャワーを浴びている最中に美人局が入って来ないとも限らないわけだよな。それも女と何かあったのならまだしも、子供をおんぶしただけで、脅されちゃ堪ったものじゃない。今日はカードも免許証も持ってきてないから酷い事にはならんだろうが……

 そんな事が頭に浮かんだが、俺は踏ん切りをつけて衣服をはぎ取り、バスルームの扉を開いた。

 ほんの二時間ほど前に出会ったばかりの女の家の風呂に入っている奇妙さはあったが、それ以上にシャワーのノズルから噴き出される温水は心地よかった。

 バスルームの前の脱衣所の扉が開いた。

 ……おいおいまさか、一緒に入るなんて言うんじゃないだろうな……
 つづく

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鮎川かりん

Author:鮎川かりん
小説家志望、28歳の女子です。現在は都内でOLしています。出来ることなら、34歳までに小説家になりたい!可能性が目茶少ないの分ってっているのですけど、挑戦してみます。もう、社内では、プチお局と呼ばれていますけど…。売れっ子作家になりたい(笑)半分冗談、半分本気です。
初めての官能小説への挑戦ですけど、頑張ってみます。是非応援よろしくお願いします。

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